円は対ドルで153円台前半、トランプ氏勝利のドル高地合い継続が重し
(ブルームバーグ): 8日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=153円前半でじり安。トランプ前大統領の勝利を受けたドル高地合いと週末に向けた持ち高調整によるドル売り・円買いが綱引きする中、円売りが優勢となっている。きょうは事業会社の決済が集中する実質五・十日(ごとおび)のため、ドル買い需要が円の重しになり得る。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、下院も共和党が制する「レッド・スウィープ」実現が近づき、米金利上昇とドル高の継続が見込まれるため、「対円でドルの押し目を買いたいとの見方は多そうだ」と指摘。東京時間の午前中は実質五・十日で円売りが出やすく、円相場の重しになりやすいと加えた。もっとも週末を控え、トランプ氏圧勝でドルを買っていた市場参加者による持ち高調整の動きが円を下支えしやすいとも語った。
7日海外時間ではドルが全面安。米大統領選後のドル高が巻き戻された流れを、米金融当局の利下げが後押しした。FOMCは主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定、9月会合では0.5ポイントの利下げを決めていた。金利スワップ市場では12月会合から来年1月会合までに1回の追加利下げを織り込んでいる。
りそなホールディングスの井口氏は、12月FOMCの利下げの判断はデータ次第になりやすいと指摘。会合まで1カ月半程度開くことから、目先は経済指標の強弱で政策の織り込みが変化するだろうと語った。
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Daisuke Sakai