【ウインターカップ直前特集】中高男女4カテゴリーで全国出場の京都精華学園、山﨑翔一朗コーチ「初出場の男子の目標も日本一」
「6年の重みを常に考えている」
――指導する上で大事にしていることは何でしょう。 試合は嫌でも緊張するので、「今日の試合は大事だよ」などのプレッシャーはかけたくないと思っています。試合の責任や外野の声を引き受けるのは私の仕事。思い切ってプレーするのがみんなの仕事と伝えています。 3年じゃなくて6年の重みを常に考えています。中学1年生の時は子どもなんです。筋肉もついてきて、髭も生えて、大事な時期を預かるのは重要な任務です。輝かせてあげたいという使命感を持っていて、「6年で日本一」に対するあこがれもあります。 文武両道で、どちらも頑張らせます。中学校の時にすでに才能のある良い選手が入ってきてくれているので、足を引っ張るような指導じゃなく、力を引き出してあげたいです。 ――今大会の目標は。 日本一を置いていますが、ならなければならないみたいなものは全くなく、プレッシャーも全くありません。京都府予選はプレッシャーが多くあり、坂道を降りている時にさらに背中を押されるような感覚です。元々、ウチは東山に負けています。東山が夏に準優勝してくれたおかげなので、東山に感謝して思い切って全国に行くだけです。 絶対にネガティブよりもポジティブな精神状態の方が自信がつきます。足りないものは自信ですね。まず1回戦の帝京長岡に勝てれば、すごい自信に繋がってまた強くなれるかなと。生徒の力を存分に引き出してあげられれば、日本一もなくはないと思っています。 ――チームのスタイルは。 ディフェンスからブレイク、リバウンドを大事にしています。ウチのさらなる特長はクリエイティブな選手が多いことです。一つのセットプレーでも、いくつかの選択肢がある中で、選手ごとにどこまでフレームワークしてあげるか。やりすぎさせたら潰してしまうと思うので、「この幅の中だったら自由にやっていい」という言葉を与えながら、ハーフコートでもクリエイティブなプレーを展開したいです。 ――キーマンは。 藤内翔真ですね。3年生唯一のスタートで、残り4人は2年生です。エースの藤内と、2年生ポイントガードの東郷然。187cmと大型で、ゲームの流れや相手の特徴をとらえるのがうまい。ゲームを作るという意味では2人に期待しています。あとは2年生の留学生ソロモン・レイモンド。日本人よりも日本人らしく、泥臭いこともできます。 ――レイモンド選手は、イゾチェ・ウチェ選手(元京都精華女子、現シャンソン化粧品シャンソンVマジック)の親戚ですよね。 ウチェが3年でレイモンドが1年でした。本当にお母さんみたいな感じで面倒を見てくれました。男子の留学生は初めてで、他の留学生は女子だったので馴染めるか気になっていました。ウチェは小さい時から世話をしていたみたいで、お節介すぎてレイモンドが逃げるくらいでした(笑)。 ――最後に全国のファンへメッセージを。 初の大舞台なので良い顔で楽しいバスケットをして、しかも勝ち上がって、子供たちもさらに成長してという姿をお見せできたらと思います。校長先生をはじめ、同僚の方々、他の強化クラブの先生方とも切磋琢磨させてもらいました。勝つことが1番の恩返しですし、子供たちからしたら親孝行になります。すべてを懸けて頑張ります。