ホンモノ!? 間違える人が続出する福岡県嘉麻市の「一夜城」
だまされた! 思わず笑顔
ベニヤ板の城は遠近感をうまく出しており、遠賀川付近まで離れるとより立体的に見える。武田さんによると、突如現れた城に驚いて山を登り、そこでようやく張りぼてだと気づく人が毎年いるそうだ。
太宰府市から母親とリンゴ狩りに訪れた小学4年の本田翔君(10)もその一人。歴史が好きで、山の上に見つけた城に向かったが、近くまで来るとベニヤ板だとわかり、「だまされた!」とはにかんでいた。それでも、頑丈に組まれたやぐらを興味深そうに観察し、スマートフォンで熱心に撮影していた。
まつり期間中、一夜城は18時から翌朝6時まで毎日ライトアップされる。初日はあいにく、日没頃から激しい雨に見舞われたが、低く立ちこめた雲の中にうっすら見える天守閣は、謎めいた伝説をもつ城にふさわしく、どこか妖しげで趣が感じられた。
11月9日の19時30分からは、住民らが楽しみにしている恒例の花火が打ち上げられる予定。一夜城は10日朝からやぐらが解体され、今年の役割を終える。
読売新聞