NYオフィスビル、67%ディスカウントで処分-オーナーが任意売却
(ブルームバーグ): リレーテッドの資金運用連会社が所有するニューヨーク市マンハッタン・へルズキッチン地区の10階建てオフィスビルが、大幅なディスカウント価格で売却されることになった。
非公開情報を理由に複数の関係者が匿名を条件に語ったところでは、エンパイア・キャピタル・ホールディングスとナムダー・リアルティー・グループは、 ニューヨーク市44丁目321Wのオフィスビルについて、5000万ドル(約78億5000万円)を下回る価格で買い入れる契約を締結した。リレーテッド・ファンド・マネジメントが2018年に購入した際の価格(約1億5300万ドル)から約67%のディスカウントとなる。
関係者によれば、ショートセール(任意売却)に相当し、カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)を含む金融機関との間で、不動産ローンの未払い返済額に届かない価格での売却で合意した。関係者の1人によると、ローン残高は1億ドル未満という。
ブローカーのCBREグループが今回の売却を請け負った。リレーテッドとエンパイア、CBREはコメントを控えた。ナムダーとCIBCにもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
借り入れコスト上昇やリモートワークの増加に伴い需要が揺らぐ中で、全米各地のオフィスビルは評価額が急落している。新築やリフォームされた高層ビルは強気の賃料でテナントを引き付けられるが、古い物件は思うように空きが埋まらない状況だ。
今回の取引を含む幾つかのディールを通じて、投資家によるオフィスビルの評価額が明らかになった。米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社ブラックストーンも今年に入り2014年に6億500万ドルで購入したニューヨークのオフィスタワー(1740 ブロードウェイ)に関し、約1億8600万ドルでの売却で金融機関と合意した。
原題:NYC Landlord to Sell Office Building at Roughly 67% Discount (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Natalie Wong