シンガポールGDP、第1四半期は前年比2.7%増 1年半ぶり高い伸び
Xinghui Kok [シンガポール 23日 ロイター] - シンガポール政府が23日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前年比2.7%増と、1年半ぶりの高い伸びとなった。 先月発表された速報値と一致。ロイターがまとめたエコノミスト予想の2.5%増を上回った。 伸び率は2022年第3・四半期(4.1%)以来の高水準。 シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)の経済政策グループ副マネジングディレクター、エドワード・ロビンソン氏は統計発表後、現在の金融政策設定は適切だとの認識を示した。 「中期的な物価安定を確保するのに十分と評価している」と述べた。 同日発表された4月の消費者物価指数(CPI)統計は、民間道路輸送と住居費を除くコア指数が前年同月比3.1%上昇と、伸び率は3月と同じだった。 MASは先月、金融政策の現行維持を決めた。次回の政策見直しは7月に予定されている。 OCBCのエコノミスト、セレナ・リン氏は政策が年内据え置かれると予想。「(MASは)第4・四半期のコアインフレ率鈍化を待っている」と指摘した。 GDPは季節調整済みの前期比では0.1%増加し、速報値と一致した。 貿易省は2024年のGDP伸び率予測を1.0─3.0%に据え置いた。製造業と貿易関連部門の緩やかな回復が見込まれるとした。 OCBCのリン氏は、今回のデータを踏まえ、24年のGDP伸び率は2%をわずかに上回る見通しだと述べた。 23年の成長率は1.1%で、22年の3.8%から低下した。 非石油輸出は減少しており、4月は前年比9.3%減、3月は同20.8%減となった。 貿易省はサプライチェーン(供給網)やコモディティー(商品)市場を混乱させる地政学的緊張、世界的な金融状況の引き締まり、政策サイクルが先進国から乖離(かいり)することに伴う新興国市場のボラティリティーなど複数のリスクを指摘した。