津波から一時避難できる県営住宅完成 和歌山初、串本町の旧役場跡に
和歌山県串本町串本の旧町役場跡に津波避難ビルの機能を備えた「県営住宅串本団地」が6月、完成した。県によると、車いす用のスロープや自家発電設備もあり、屋上や防災広場などに最大約1200人が一時避難できるという。津波避難ビル機能付きの県営住宅は県内初めてという。 旧串本町役場は、1958年の建築で耐震診断ができないほど老朽化。敷地の標高は約3メートルで、南海トラフ大地震が発生すれば約6・8メートルの津波が想定される場所だった。 このため、串本町は2021年に役場の本庁舎を標高約50メートルの高台(同町サンゴ台)に移転。県は町と協議し、22年11月から、役場跡地に津波避難ビル機能を備えた県営住宅を整備してきた。 県営住宅串本団地は、鉄筋コンクリート造り7階建て、延べ床面積は3349平方メートル。4~7階が住宅で、総戸数は24戸(3DK8戸、2DK16戸)。1階はピロティー(吹き抜け)、2階が駐車場、3階が集会所と防災広場になっている。(菊地洋行)
朝日新聞社