「林の中から脱出専用」「100Y転がし専用」…アマチュアに役立つ“エキストラクラブ”をフィッターと考えてみた
ラウンド中の苦手なシチュエーションには、それ専用のクラブを入れればいい、とギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人はいう。興味深い話、詳しく聞いてみた!
苦手なシチュエーション用のクラブがあると便利!
クラブフィッター小倉です。突然ですが、皆さんは一定の状況にだけ活躍するクラブをお持ちでしょうか? 林の中から脱出する専用のクラブとか、ロブショット専用のウェッジとかですね。最近では、アプローチでも多用されますが、バンカー専用に生まれたサンドウェッジは、広い意味でこのジャンルのクラブに当てはまると思います。 私はこういったクラブを”エキストラクラブ”と呼んでいますが、こういったクラブのアイデアを考える時間がとても楽しく思ってます。以前このコラムにも書いたことがあるのですが、古く使わなくなった3番アイアンを短く重くして、ライ角をアップライトに改造し、林の中からの脱出専用クラブ、名付けて「グラウンダー3」をお客様に作ったことがあります。 そのほか、100ヤードぐらいからでも、芝の抵抗に負けにくく転がしやすい16度のウッドUTを改造した「100ヤードチッパー」なんてクラブも作ってみました。どちらもお客様にはとても喜んでいただけました。 前述したふたつのクラブは、かなり極端な例ですが、自分が苦手なシチュエーションや、ライに合わせて専用のクラブを作っておくのは、アマチュアゴルファーがスコアメイクをしていくにあたってかなり効果があると思っています。 すでにバッグに14本入っていて、すべてのクラブが全部抜けないというゴルファーもいらっしゃると思いますが、コースコンディションや、河川敷やリンクスといった環境に個性のあるコースでのプレーといったとき用のクラブを作っておくと便利です。 たとえば、風の強い日に使う、ライナー性の弾道が打ちやすいアイアン型UT、砂の少ないバンカーに合わせたバウンスの少ないウェッジなどが思い浮かびます。長い距離から砲台グリーンを狙いやすい、高さでボールが止められるショートウッドなんていうのも当てはまりますね。 滅多に使わないけれど、絶体絶命な状況を打破してくれる専用のエキストラクラブ。苦手なシチュエーションは人それぞれ違いますので、皆さんが考えるエキストラクラブはそれぞれ違うと思います。皆さんが考える「あったら嬉しいエキストラクラブ」は、どんなクラブを思い浮かべますか? ※2024年9月9日20時21分、一部加筆修正しました。
小倉勇人