撮影中の秘話も披露

完成披露舞台あいさつに登壇した坂東龍汰（左）と寛一郎【写真：ENCOUNT編集部】

　俳優の坂東龍汰が26日、都内で行われた映画『シサム』（9月13日公開）完成披露舞台あいさつに、主演の寛一郎、共演の和田正人、平野貴大、サヘル・ローズ、緒形直人、メガホンをとった中尾浩之監督とともに登壇した。 　アイヌと和人との対立を描いた本作は、江戸時代前期が舞台の壮大な歴史スペクタクル映画。蝦夷地と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易を行なっていた史実が基になっており、殺された兄の復讐心に燃える松前藩の若者が、アイヌの人々との交流を通じて、己の価値観や生き方を模索していくという物語になっている。 　本作で、和人に反発心を抱くアイヌの青年・シカヌサシを演じる坂東は「このお話をいただいたときに、寛一郎が主演って聞いて“絶対にやる”って決めました。プライベートでも仲良くさせてもらっているんですけど、やっと（共演）できるとワクワクしていました」とオファー時の心境を明かしつつ、台本を開いたら“ギョギョッ！”と思ったそうで「全部カタカナで、そこから一気に不安が募ってきてすぐ（寛一郎に）連絡しました。『聞いてないぞ』『ムリムリムリ！』って」と回顧。撮影初日に寛一郎と対峙するシーンがあったそうで「そのシーンのセリフを前日ギリギリまでひたすら聞いて、言って覚えるという日々が続いていました」と苦労を明かした。 　また、撮影時に覚えたアイヌの言葉を「いまだにセリフが忘れられない。1年ちょいたちますけど全部覚えていますね」と明かした坂東は、寛一郎から「今も覚えてるの？　なんか言って」と無茶振りされ、会場の注目を一身に集めると「ちょっとこれ緊張するな（笑）」と戸惑いつつ、長いセリフを披露すると、アイヌの村に嫁いできた女性・リキアンノを演じたサヘルは「すごーい」と感嘆し、観客から拍手を浴びた。 　なお、坂内は同舞台あいさつの前にサヘルから「はじめまして」と言われたそうで、サヘルが「ずっとご一緒していたのに……。（見た目が）全然違う方なんですよ」と苦笑すると、坂東は「サヘルさんとはずっと（アイヌの和人が共生してきたという認識をもつ北海道）白糠町で撮影していたんですけど、扮装している状態の現場でしか会ってなかったですからね」とフォローした。 ※『シサム』の「ム」は正式には小文字表記