京本大我のソロ楽曲はSixTONESと何が違う? 1人で作り上げることで映し出される色
SixTONESの京本大我が、クリエイティブプロジェクト「ART-PUT」を始動させた。30歳の誕生日当日の12月3日に『TAIGA KYOMOTO Anniversary Event「30 -THI"ART"Y-」』を東京ガーデンシアターにて開催する。 【写真あり】京本大我、少年のような佇まい それに先駆けて、現在3つのソロ楽曲がYouTubeで公開されている。今回は、それらの楽曲について解説し、あらためて感じた京本の魅力について語りたい。 9月3日、10月3日、11月3日と3カ月連続で公開されたソロ曲は「Prelude」「WONDER LAND」「Blue night」の全3曲。いずれの楽曲もギターサウンドが鳴り響く、ロックな楽曲になっており、“青”がMVの中でカギとなっている。 まず公開された「Prelude」は、ギターの軽やかでスピーディーなメロディからスタートし、音の重なりがだんだんと増していく楽曲。デビュー前からこれまでに披露してきたSixTONESでの歌唱やそこでのソロ曲の傾向から見ても、かなり地の声に近い声の作り方で歌っている印象だ。また、サビでは「キラキラ」というワードをスタッカート強めに歌うなど、パワフルさが感じられ、聴いているこちらもポジティブになれる気がしてくる。歌詞には、誰かを応援するストレートな言葉こそ出てこないものの、聞いているだけで前を向きたくなるファイトソングのようにも聴こえる。また、この楽曲のMVの中では真っ白なギターを青く染める一幕や、サビでは青のジャケットに身を包んでいる姿も。さらに最後には、横断歩道の白い線が青色に変わっているのも印象的だ。
京本大我の表現の幅広さが光るソロ楽曲
青く髪を染めた京本の耳に寄っていくカットからスタートするのは「WONDER LAND」。歌唱パートが始まると、その髪を逆立てたようなヘアスタイルに黒のアイメイクをし、力強く歌う姿が映し出される。運命のイタズラを歌ったこの楽曲は、印象的なギターサウンドが心を揺さぶる。また、大サビ前「呆れ笑って 反吐が出らぁ」と歌われる部分では、彼の持ち味でもあるハイトーンな歌声をこれでもかと聴かせたあとで、巻き舌で力強さと反抗心を表現。その表現幅の広さは、これまでグループ、そして舞台などで積んできた経験値の賜物だろう。「Prelude」と比べると、雰囲気は真逆とも言えるが、これもこれで京本らしさを感じられるのだから不思議だ。 そして11月3日に公開されたのは、切ない恋を歌うロックバラードの「Blue night」である。「寂しさを埋めるためだけじゃないと互いに言い聞かせながら」という切ない歌詞を力強く歌うのは、あくまでもテイストがロックだからなのだろうか。また、他の2曲やグループでの歌唱時に比べると、AメロとBメロの音程がかなり低いのも印象的。京本といえば、突き抜けるようなハイトーンボイスがポイントなのは言うまでもないが、正しく言うのなら音域の広さが魅力であるということを改めて感じさせられた。また、「Blue night」のMVでは青のみにこだわらず、2番からは赤を基調としたシーンが出てくるのも面白い。 幼い頃からロックに傾倒してきた京本らしい、今回のソロプロジェクトの3曲。SixTONESでは、リードボーカルの1人として、高音域で歌唱力を響かせることも多い京本。だが、やはり1曲まるまるをたった1人で歌っている姿を見ると、彼の良さは表現力の幅広さにあると確信できる。 また3つのMVのラストシーンは、京本が歩いていく姿で映像が終わるが、これはいったい何を意味するのあろうか。表現者・京本大我の世界からまだまだ目が離せなそうだ。
於ありさ