野外で行われたクニタチ名人戦

　２０２２年４月に将棋担当になるまで将棋を指したことのなかった記者が、「今から将棋を始めよう」という目線で、将棋教室や道場を実際に体験するコーナー「道場へ行こう！」。第１０回は、東京・国立市で開催された「クニタチ名人戦」上級者の部に出場してきました！（瀬戸　花音） 　前回の船橋将棋大会１勝４敗の記憶を払拭（ふっしょく）すべく、ＪＲ南武線・谷保駅に向かった。クニタチ名人戦は今回が第１回。将棋大会の他に棋士や女流棋士のトークショーなども並行して行われているイベントだ。 　一般の上級者（１～３級）の部の参加費は２０００円（税込み）。野外で行われた。「雨が降らなくてよかったですね」と席が近かった参加者と空を見上げながら会話。野外での将棋大会参加は初めてで新鮮だった。 　対局前、何列か前の席の駒が風に舞った。「わあ！」の声を合図に、参加者みんなで駒を拾い集める。「銀がありません！」と、銀の“捜索願”が出された。捜せ捜せ。第１回大会ということでスタッフも試行錯誤の中での開催だったが、参加者たちを温かい雰囲気で包み込んでいた。 　結果としては、今回も３連敗。野外ステージでは森内俊之九段と野原未蘭女流初段の師弟トークショーが行われており、局面が良くなると感じると、不思議とそのトークが耳に入ってきてしまうという自分の人間としての欠陥も知ることができた。最後の一局は、自陣に駒をぺたぺたと無駄に打ちつけ粘ってはみたものの、相手陣の危うさは皆無だったので、きつかったです…。大会の終わりに「藤井喫茶」でいただいた藤井猛九段のいれたコーヒーが、おいしく身に染みました。