阪神のファームに掛布HLT絶賛の逸材が2人「将来、阪神の中心選手となりレギュラーを張れる」
阪神の1、2軍キャンプが沖縄・宜野座、高知・安芸で、それぞれ打ち上げられた。キャンプを通じて評価急上昇は、高知・安芸でプロ1年目の濃厚な時間を過ごした2人のルーキーだ。一人が履正社からドラフト2位で指名された井上広大外野手。そして終盤に2軍キャンプを視察した「ハンシン・レジェンド・テラー」(HLT)の掛布雅之氏が、その井上と共に目を付けたのが東海大相模から4位指名されたショートの遠藤成である。3代目のミスタータイガースは、「この2人は将来、阪神の主軸としてレギュラーを張れる」と太鼓判を押した。2019年のドラフトでは、6人中5人を甲子園で活躍した高校生を指名。今季の即戦力ではないが、将来を見据えてビジョンを持って行った”育成ドラフト”は間違っていなかったようである。
井上広大の腕のたたみ方にセンス
衝撃デビューだった。井上は、プロ入り初の実戦となった15日の四国銀行戦で4回一死二塁の場面で代打出場。その初球を捉えた打球は、安芸市営球場のレフトフェンスを越えたのだ。 打ったのはインサイドのストレートである。さらに衝撃は続く。23日に行われた西武2軍との練習試合に「5番・DH」で起用されると2回の第1打席に、西武の3年目、伊藤翔の2球目のインサイドのスライダーに反応、バットを折られながらも打球は、レフト後方にあるネットを直撃したのである。 履正社時代に通算49本塁打。全国制覇したチームの4番で決勝では、ヤクルトにドラフト1位で入団した星稜の奥川恭伸からも一発を放った素質はダテではなかった。バットを折られて本塁打にするのは外国人やソフトバンクの柳田悠岐、オリックスの吉田正尚らクラスでしか見たことがない。そのパワーが一流である証拠である。昨年、入団前に下校途中に駅の階段で右足首を捻挫したため自主トレから出遅れたが、右の大砲としてのポテンシャルを発揮しつつある。 「井上君は、打ちにいく際、もっと体を開くのかなというイメージがあったが、それもなく右方向へも強い打球が打て、非常にバランスのいいスイングをしている。インパクトではバットをレベルに振れる。特に目を引いたのは左肘の使い方。綺麗にたたんでスイングに入っていくので内角球に対応できる。この肘のたたみ方こそセンスなんでしょう。まあ、今は社会人やファームレベルの相手。1軍レベルの外のスライダーへの対応など課題はどんどん出てくるが、素材として魅力十分の二重丸」 2017年まで2軍監督として育成を手掛けていた掛布HLTは試合の打席は映像でチェック。22日には室内練習場でバッティング練習を直接、視察した上で井上の可能性について絶賛した。 実は22日にキャンプ視察した掛布HLTの目を引いた選手はもう一人いた。ドラフト4位の遠藤だ。