国民年金「100 万円」の負担増?――65 歳まで延長を検討 将来の年金額は?…「計算ずれちゃう」の声も【#みんなのギモン】
■65歳まで会社員の人は影響ナシ
加納解説委員 「仮に制度が改正されて納付期間が 5 年延長された場合に、影響を受けるのはどんな方なのでしょうか」 「国民年金に加入している自営業などの方や、厚生年金に加入していて60歳以降にリタイヤする会社員です。この会社員の方は退職した後に国民年金に加入しますが、保険料を65歳になるまで支払わなければならなくなるかもしれません」 「一方で影響がないのは、企業の雇用延長などで65歳になるまで会社員として働く人です。この人は今の制度でも厚生年金に入っている限り、70歳になるまでは年金保険料を納める仕組みになっているので、影響がないんですよね」 河出奈都美アナウンサー 「この5年間、年金を受け取れるのか納めるのかで、いつリタイヤするのかという計画にもだいぶ大きく関わってきそうですよね」
■「5年間納付延長」どう思う?…街の声
加納解説委員 「5年間の納付延長について街の皆さんはどういうふうに思ったのか、都内で16日に聞いてみました」 フリーランス(国民年金)の美容師(33) 「(年金を)もらえるという保証があるんだったら払いますけど…」 夫は会社員(厚生年金)というパート(55) 「年金ももらいつつで住宅ローンを払えるかなと思って住宅を購入してるから、そこの計算がずれちゃう」 年金支払い済みの主婦(64) 「私はもう65歳に近いので、そこまで負担に思ったことはないんですけど、今の30代40代の人にとっては負担がとても大きいとは思いますね」 森圭介アナウンサー 「老後や年金制度に不安を漠然と持っている人がいます。私はまだ45歳。『20年後か…そろそろライフプラン考えなきゃな』と思っていた方にとっては、『5年で100万円? ちょっと待って、それ聞いてないよ』となる気持ちは大いに分かります」
■少子化で収支バランスが崩れる恐れ
加納解説委員 「そもそも、この年金5年延長の見直しは、将来もらえる年金が下がりすぎないようにするためです。年金は、個人単位で各自が今支払っている保険料が貯蓄されて将来支払われるわけではありません」 「私たちが支払った分は、今高齢者が受給する年金に使われています。私たちが高齢者になった時はどこが財源になるかというと、その時代の若者たちが納める保険料でまかなわれます。ただ、今は少子化が予想を上回るペースでどんどん進んでいますよね」 「このまま少子高齢化が進むと、年金の財源となる保険料(財布に入ってくる分)は少ないのに、高齢者がもらうお金(財布から出す分)が増えていき、収支のバランスが崩れてしまいます。国民年金の受給額が少なくなることを防ぐための見直しです」 斎藤キャスター 「僕たち同世代でもよく話をするんですけど、『将来、年金もらえなくなるよね』なんてことも聞くんですけど、そんなことはないですよね?」 加納解説委員 「そこを心配される方はいると思うんですけれども、もらえないということはありません。ただ、将来若者の数がどんどん減り続ければ、その時代に払える年金の額が減ってしまうわけですよね」 「そのため、今のままの制度を続けるよりは、私たち将来世代がもらえる年金額を増やすために方策を考えているということです」