夜だけ営業『深夜喫茶しんしんしん』に集う人々「就活中の大学生」「岡山からのミュージシャン」...午前3時までなに語る? 店主自身の“人生を変えた”出会いも【定点観測】
飲み会帰りの“ひとり時間” 日記を書く男性
午前0時45分、1人の男性がやってきました。 「深夜に入れるところを探していたので、タイミングがちょうど良かったです」 建築事務所で働いている男性。会社の飲み会の帰りにしんしんしんに初めてやってきました。 「黒板があったり、換気扇が上についていたり、おもしろい場所ですね。新しいツルツルしたものっていうよりも、こういう年季が入ったものが集まっていて、落ち着けますね」 男性が取り出したのは手帳。 「書き留めたい言葉とかをここに書いたりして、自分の頭を整理するために使っていますね」 入店から1時間。男性はもくもくと日記を書き続けていました。 それぞれの時間を静かに見守る深夜喫茶。京都・北白川の夜はしんしんしんとふけてゆきます。
豪さんに会いに来たミュージシャン「きのう来ていいなと思ってきょうも」
午前2時。最後のお客さんとなる男女2人組がやって来ました。 「彼女は初めてで、僕はきのう友だちと一緒に初めて来たんですよ。きのう来ていいなと思って、きょうも来た」 岡山から京都のライブハウスに出演するためにやってきたミュージシャンの男性。はっぴいえんどをリスペクトする男性は、この店を作った豪さんに会いに来たといいます。 (男性)「この空間をつくった人ですよね?」 (豪さん)「つくったというか気が付いたらできていた」 (男性)「それもまたすごいですね。冷静に考えたら(時間が)だいぶ深いんですけどね、こういう夜はそういうふうにあんまり感じないですね」 午前3時の閉店時間まであと30分。 (男性)「今、何の話しとったっけ?…民主主義は本当に実現可能なのかという話をしていました。午前3時くらいになったらでてきますよね?そういう話が」 結局2人が帰ったのは閉店時間を過ぎた午前3時30分でした。 (豪さん)「ありがとうございました。おやすみなさい」 ようやく閉店です。 (店主 西條豪さん)「夜の闇から出てきて、また夜の闇へと消えていくという感じで。不思議なことなんですけどお客さんは来ますね」 豪さんが店を出たのは朝日がのぼる少し前。柚さんの眠る家に戻ります。おやすみなさい。 (2024年4月1日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)