夜だけ営業『深夜喫茶しんしんしん』に集う人々「就活中の大学生」「岡山からのミュージシャン」...午前3時までなに語る? 店主自身の“人生を変えた”出会いも【定点観測】
読書を楽しむ女性「この店があることが引っ越した決め手の一つ」
午後10時40分。窓際の席に座る女性がいます。 「本を読みたくて、本を持ってきょうは来ました。(Q小説ですか?)そうです、いまちょうど読み始めたところで」 近くに住んでいるという会社員の女性、実は…。 「今年の1月に引っ越してきました。京都市内に引っ越してきたんですけど、近くにここの喫茶店があるからいいかなと思って、実は引っ越した決め手の一つだったりして。近所なので、本当にふらっと『今から行こう』という感じで行けたり。本を読んで、また家に歩いて帰って。大したことじゃないかもしれないですけど、温かくなりますよね、心が」 そんな彼女にはこの店でのもう一つの楽しみがあるそうです。 「店主の方が、絶対帰る時に『おやすみなさい』って言ってくださるので、ゆっくり眠ることができる場所ですかね」 彼女は1時間、読書を満喫しました。 (女性)「(Qどんな夜でした?)いい夜でした。ありがとうございます」 (豪さん)「おやすみなさい」
看板の光に誘われて店を訪れ…家族になった店主と常連客
午前0時になりました。開店直後からカウンターに座る女性、滞在時間は約4時間です。 (女性)「さっきのモモンガの歌が一番好き」 (豪さん)「あれ麻布の暗闇坂」 店主の豪さんとの音楽談議に花が咲きます。豪さんの表情がいつもより柔らかく見えます。 (記者)「豪さんの素の顔が見られた気がします」 (豪さん)「家族なんで」 (女性)「確かにな」 女性は常連の柚さん。実は去年の6月、2人は結婚しました。東京の外資系企業に勤めている柚さん。在宅勤務になったことをきっかけに、2021年に京都に移住してきました。当時はコロナ禍。バスで家とジムを往復するだけの日々を過ごしていました。 (柚さん)「バスの中でぼーっと外を見ていた時に、真っ暗な中を進んでいく中でここだけぼーっと『深夜喫茶しんしんしん』という看板が浮かび上がって」 光に誘われるようにお店に入ったと言います。 (柚さん)「入ってすごく不思議、なんなんだここはみたいな。いつからやってるお店なのかもわからない。すごく昔からあるお店なのかなって思って、いつからやってるんですか?と聞いたら『2~3年前』って感じで、えー?と思って。ニ代目だと思っていたので、この人が一代目なんだってめっちゃびっくりした」 1人の男性と1人の女性の時間が交わり、そして人生が交わる深夜喫茶。