「食コンテンツで培ったクリエイティブメソッドを新領域で応用する」: Tastemade Japan 夏目 卓弥 氏
2023年はAIの年だった、と言っても過言ではないだろう。この新しいテクノロジーの出現と急速な発展は、拡大と変化と混乱が相まって形作られている、デジタル領域を象徴するような存在にも感じられる。 一方で、デジタルの未来は不透明だ。市場におけるすべてのプレイヤーが、先の見えないなかでいかに足場を固め、次のステップへと進めるのか模索を続けている。DIGIDAY[日本版]恒例の年末年始企画「IN/OUT 2024」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに2023年を振り返ってもらい、2024年に向けてどのようなチャレンジを企図し、次なる成長を実現しようとしているのか伺った。 Tastemade Japan株式会社にて、代表取締役社長を務める夏目卓弥氏の回答は以下のとおりだ。
──2023年に挙げたもっとも大きな成果はなんですか。
ロサンゼルス発のライフスタイル動画メディア「TASTEMADE(テイストメイド)」を国内で運営する弊社では、7つのSNSアカウントでInspiringな動画コンテンツを制作・配信しています。2023年は各SNSプラットフォームの仕様・特徴・視聴者の嗜好性等に合わせてコンテンツを最適化させるプラットフォーム戦略を推進した結果、さまざまなSNSで高パフォーマンスを生み出した1年となりました。 特に10月が顕著で、単月の総再生回数が弊社史上過去最高の1.5億回を超えました。SNSにおけるコンテンツの競争環境が激化するなかで本記録を作ることができたのは、ひとえに視聴者の反応やコメントに真摯に向き合い、最新のトレンドを徹底的に調査しタイムリーに汲み取り、PDCAを回しながらハイクオリティな動画コンテンツを制作してきた成果の現れと考えています。
──2024年に向け見えてきた課題はなんですか。
弊社の動画コンテンツのなかで主にTikTokやインスタグラムで流行している、いわゆる「縦型ショート動画コンテンツ」が急成長しています。一方で長尺動画コンテンツに関しては、YouTuber等クリエイターの増加やストリーミングサービスの充実化により競争環境が一層厳しくなっており、制作の見直しとさらなるコンテンツの最適化を迫られています。