隠岐4町村で初、ペット専用の火葬場 これまでは…可燃ごみとして処理するのは心理的負担、本土での火葬は手間と費用 住民有志が署名集め火葬炉設置を町に請願し実現 島根県
島根県隠岐の島町のNPO法人「あにまるサポート隠岐」が隠岐4町村で初となるペット専用の火葬場を整備した。飼育数が少なく民間が参入しにくい環境で住民有志の願いを受けて行政の助成や企業、個人の浄財を得て施設を設置した。 【人生相談】ペットを飼うことは人間のエゴですか? 養老先生に人生相談!
ペット火葬場「ほしぞら」は、隠岐の島町栄町の島後斎場愁霊苑近くの町有地に整備。約30平方メートルの平屋で、内部はボイラー室と収骨室に分かれている。犬や猫、小動物を最大60キロまで引き受ける。火葬と収骨の利用料金は体重別で1万4千~5万2千円。町外者も利用可能で、町民は割り引きがある。 町内で登録されている犬は536匹(2023年度末)。これまでペットが死んだ場合、土葬か可燃ごみとして処理、本土火葬炉へ持ち込むしかなかった。土葬は土地が必要で、ごみとして処理するのは家族の一員として飼う人の心理的負担が大きく、本土移送は時間と費用がかさんでいた。 このため、住民有志が約2400人の署名を集め、2022年9月定例町議会に火葬炉設置を求める請願を提出し、採択された。 町は公設公営は困難としたが、敷地の無償貸与と工費補助約1千万円を拠出。さらに同法人がクラウドファンディング(CF)と企業・個人の寄付金計約600万円を集め費用を捻出した。
同法人の村上操理事長(68)=隠岐の島町津戸=を中心にメンバーが火葬炉の取り扱いを身に付け、1月に受け入れを始めた。年30匹の受け入れを想定しており、村上理事長は「多くの人に応援してもらい、完成した。ありがたく思っている」と話している。