「82歳の父」が闇バイトに手を出してとんでもない目に…!60代の息子が青ざめた「絶体絶命の大ピンチ」
父は闇バイトに気づいていなかった
「その先にある誘導サイトに入って確認することができなかったのですが、誘導サイトに行くまでもなく、見た瞬間、ダメだ…これ闇バイトだって気づきました。 すぐに父を問い詰めましたよ。そうしたら『Xを見ていたら、2時間で2万円で年齢も性別も学歴も問わないと書いてあったから、生活費の足しにしようとサイトに入った』と…。それで自宅住所に電話番号、そして息子である僕の家の住所と電話番号まで伝えたと知らされました」 父が受けた仕事は、この日、22時に自宅から3キロほど先にあるコンビニの駐車場で待ち合わせをして、そこで封筒を受け取ったあと電車に乗り、5つ先の駅で降りて待機。電話がかかってきたら、さらに指定された待ち合わせ場所に移動して、その封筒を渡すことになっていたという。 報酬はそこで現金で渡される予定だったらしい。 「父は、闇バイトを日中までは覚えていたのですが、夕方に友人からカラオケを誘われ、歌っているうちに約束自体を忘れてすっぽかしていました。最近物忘れが酷くなっているのを気に病んでいましたが、この時ばかりはボケてくれて本当に良かったと思いました。あやうく犯罪の片棒を担ぐところでしたから…。 でも…。問題は大ありです。犯人グループに自宅の住所はもちろん、私の住所や電話番号まで教えているわけです。家族に何かあると怖い。実際、謎の男から私に電話も掛かってきたわけですから…」 満さんは父を車に乗せ、警察署に直行。すぐに相談したという。 「警察官はこんな父を責めもせず、『とにかく巻き込まれなくて良かった』と話してくれました。でも、もちろんそれだけじゃ済みません。そこから2時間以上にもわたる事情聴取が始まり、父のスマホも証拠品として警察に預けることになりました。父の家に帰宅できたのは深夜。もう2人ともヘトヘトになりました。 父を叱りつけたかったのですが、警察の方には『たくさんお灸をすえたから、もう怒らないでやってください』と言われましたし、あくまで未遂で終わっているので、大目にみることにしましたが、事後処理も大変でした」 新しい父のスマホを購入し、新しい電話番号で契約。満さん自身も非通知の番号には出ないようにし、自宅には防犯カメラを設置することに。20代ではあるが、学生で夏休み中の息子には一人での外出を禁止し、家族旅行も中止にするハメになったという。 「それだけではありません。父は『80代でも働ける簡単な仕事があるんだ、2時間で2万円も稼げる』とスマホを使う高齢者の友人たちに『闇バイト』をおすすめしていたことがわかったんです。頭がクラクラしました」 父の「闇バイト」は未遂に終わったが、今度は父の友人たちが犯罪に手を染めかねない――そんな「絶体絶命の大ピンチ」に陥っていることが判明したのである。 警察の事情聴取で知らされた意外な事実とは――。つづく後編記事『まさか82歳の父が「闇バイト」に手を出していた…!“怪しい仕事”に高齢者が応募してしまう「切実な理由」』では、今回の騒動の深層にさらに迫ります。
保田 三都子