シャネルのハイジュエリー、究極の職人技で挑んだ「ツイード」の風合い
贅を極めたジュエリー最前線(4)CHANEL
新作「ツイード ドゥ シャネル」コレクションの目を見はる挑戦は、しなやかなファブリックの風合いを、ハイジュエリーで表現したこと。厳選された素材でクラフツマンシップの可能性を追求した、意欲作だ。恋人だったウエストミンスター公爵とともに優雅な旅を楽しんだガブリエル シャネルは、ときに公爵の男物ジャケットを借りて着ることもあったという。上等なツイードの柔らかさ、心地よさを彼女が知ったのはこのときだ。ツイードを取り入れたガブリエル シャネルの名高いスタイルは、大貴族との恋にルーツがあった。 【写真はこちら】リング、ブローチ、イヤリングも…「ツイード」コレクションをもっと! 現在、シャネルのファイン ジュエリー クリエイション スタジオ ディレクターを務めるパトリス・ルゲローは、2020年にツイードを題材としたハイジュエリーを製作して驚かせたが、さらに洗練の度を増した新しい「ツイード ドゥ シャネル」が今年、ヴェールを脱いだ。 カメリアの花やライオン、星、太陽、リボンなど5つのアイコンモチーフをあしらったハイジュエリーは、小さなパーツを丹念に組み合わせ、ファブリックの風合いを見事に実現。透かし細工やフリンジも取り入れた豊かな表現力はさすがのひと言だ。2通り、3通りのつけ方を可能にしたトランスフォーマブルなアイテムも用意され、ハイジュエリーの着用頻度を上げるさまざまな工夫が凝らされているのが、何ともシャネルらしい。
■チャリティオークションに特別仕様の限定モデル登場
11月5日に開催されるチャリティオークション「Only Watch」にシャネルが出品したのは、愛らしくも高級感あふれる「マドモアゼル J12 ラ パウザ」のペア。ガブリエル シャネル自身の着こなしを元にした遊び心のあるデザインだ。ハンマープライスやいかに! (問)シャネル カスタマーケア Tel. 0120-525-519 取材・文/本間恵子 編集協力/オフィス インターフェイス デザイン/高井真由美 [THE NIKKEI MAGAZINE LUXE 2023年11月3日号の記事を再構成]