〈旭川・江別…続く全裸集団暴行死〉ワルで評判だった“サンロクのリコ”、ハオトは「見ていただけ」と涙の供述…記者が見た2つの凶悪事件
とにかくワルで評判だった“サンロクのリコ”
これまでの報道でも明らかなように、両事件を主導していたのは旭川が内田被告であり、江別が川村容疑者だ。 内田被告は拘留期限満期まで『橋から落ちたかどうかは知らない。置いてきただけ』と殺人容疑を否認し、起訴されている。内田被告らは被害者のスマホを橋から離れた場所で破壊するなど証拠隠滅を図っており、事件後に複数の友人に『村山さんに謝罪させ、その後は本人も帰った』と告げるなど隠ぺい工作を重ねていた。 一方の川村容疑者については認否がまだ明らかにされていないが、逮捕前には友人の母親に『自分はあまり暴力を加えていない。ただ見ていただけ』と泣きながら打ち明けていたという情報があり、調べにも『八木原容疑者に対し長谷さんに謝ってもらおうと思った』などと供述しているとされる。 事件後の対応を比較すると、明らかに内田被告の方が「事件慣れ」している印象を受ける。実際に、両者の地元を取材した際の「所感」からもそれは感じ取れた。 まずは内田被告について。 近所の人らによれば両親や兄との家族仲も良く、自宅前でバーベキューをする姿なども目撃されている。 だが、内情はそれなりに複雑だったようだ。父親は建築関係の会社を経営しており、母親は化粧品メーカーの仕事や介護職に従事していたが、以前はキャバレーで勤務していたこともあった。 そんな母親に連れられ、内田被告は小学生の頃から夜の繁華街で多くの時間を過ごしてきた。古くからの知人は当時、内田被告に「お母さんはお父さんがいるのになんで他の男の人と一緒にいるの?」とよく尋ねられ、返答に困ったそうだ。 近隣住民の多くが内田被告を『とにかくワル』と認知していた。内田被告は中学時代から派手なタイプで目立っていて、男に対しても肉食だったという。気に入らない同級生については、容姿をイジる、無視をするなど陰湿なイジメを繰り返し、高校生になると酒やタバコだけでなく、大麻などもやっていたという証言がある。 地元を取材で回っていても、ヤンキーや今風の若者、多くのタイプの人間に『リコ』の呼び名で広く知られ、旭川随一の歓楽街「3・6(サンロク)街」でも多くの人間に認知されていた。 事件についても「リコならやりそう」という多数の声がある一方で、「知ってるけど話せねえ」と凄むアウトロー風の若者や、「話すなってグループLINEで回ってる」と擁護するような動きもあった。 内田被告自身がパパ活をしたり、ガールズバーで働いたりしたこともあるが、交友関係も夜の街の住人やヤクザ、現職の刑事らと幅広く、周囲からは暴力的な臭いが漂っていたのだ。 (後編に続く) ※「集英社オンライン」では、今回の事件について情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: shueisha.online.news@gmail.com X(Twitter) @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班