長野智子×フジ三宅正治アナ 時代とともに変化する“アナウンサーの現状” を語る
◆アナウンサーの昔と今を考える
長野:私たちの時代から今って、女性アナウンサーもだいぶ変わってきているよね。今って即戦力だもんね。 三宅:本当にそう。原田葵アナは、入社2年目の元櫻坂46の子なんだけど、「めざましテレビ」に歴代最速で起用している。 長野:しかも、淀みがないんだよね。 三宅:まだ勉強しないといけないところはあるけど、ひと昔前だといきなりポンと放り込まれて、できる子なんてそんなにいなかったよね。 長野:今の人って本当にそつなくこなすよね。 三宅:局のカラーってあるのかな。うちに来る子でキッチリしているタイプっていまだに少ないんだよね。 長野:それは伝統として残っているんだ(笑)。 三宅:どこかほんわかしていて、「大丈夫かな」って子が来るよね。原田アナもしっかりしているように見えて、「大丈夫か?」って突っ込みたくなるような性格の子だし。 長野:男性アナウンサーはどう? どんなことをやりたいのかな? スポーツ実況が多い? 三宅:そうとも限らないな。新人研修の講師をやったりするんだけど、最初に必ず「スポーツアナウンサーになりたい人はいますか?」って聞くのね。手を挙げる人は少なくなってきているね。 長野:あらま。なんでなんだろう? 三宅:今の地上波が置かれている立場なんだけど、スポーツアナウンサーに“夢”と“ゴール”がないのかなぁ。 長野:(スポーツ番組が)少なくなってきちゃっているからねえ。 三宅:俺らの頃は野球中継で巨人戦をやったら20パーセントは取れた。みんなが観ている番組の実況をやっていますよっていうのが1つのステータスだった。それが今、地上波で世帯視聴率20パーセントを取るなんてほとんどないでしょう? 何か特別感がないとそこまで視聴率は跳ねない。10パーセントを取るのも大変な時代だからね。そうなると、スポーツを目指すっていうよりは「めざましテレビ」を志望する男性アナも多いね。 長野:男性も女性もやりたい番組なんだねえ。 (「長野智子のテレビなラジオ」2024年11月26日(火)配信より)