公約を守るため、また公約が守れなかったとき議員はどうすべきか
東京都議会の改革を話し合うための議会改革検討委員会(木村基成委員長・都民ファーストの会)が設置されて4カ月以上経ちました。都議選で最大会派となった都民ファーストの会が100日以内に実現を公約していた「議会公用車の廃止」は「削減」で合意するなど、いくつかの改革内容が決まりましたが、これまでの検討委員会をどう評価するのか ── 。 公約だった議員公用車廃止はなぜ見送られた? 都議会改革検討委の議論検証 全国地方議会の改革度などを調べる早稲田大マニフェスト研究所の中村健事務局長は「議論の可視化や決まった内容を都民に納得させられたのかという点で、ブラックボックスと批判されていた今までの都議会と何ら変わっていない」と厳しい目を向けています。
都民ファーストは有権者が納得する対応が必要
検討委員会では都民ファースト、公明、共産、民進の4会派が「議会公用車の廃止」の立場をとりながらも、「現行の22台から3カ年で9台(正副議長車)」と台数削減で決着しました。中村事務局長は、公約が“後退”したことについての都民ファーストの対応は「このままでは、約束を破った、公約違反と言われても仕方がない」と、問題視します。 「『公約でやります』と言ったことで投票した有権者がいるはず。なぜできなかったのか、説明し、納得できるようなことをしなければならない」。その結果が「次の審判(選挙)」の判断材料になると、選挙で掲げた公約の重みを強調。 「議員には法的責任、説明責任、道義的責任がある。法律を破っていないからいい、情報を(ホームページに)載せたから説明しなくてもいいというのは十分ではない。情報を掲載したことと伝わるということは違う。説明責任も不十分だし、有権者が納得しなければ、道義的責任を果たしたといえない」とみています。
議論プロセスを明らかにするには不十分
検討委員会は打ち合わせ会が非公開だったことで、議論の中身がわかりにくいという批判がありました。中村事務局長は「政治は違う意見のすりあわせが必要で、非公開はあってもいいと思う」といいます。しかし、その非公開の議論を含め、「議会のどこでどんな話があり、どういう議論があって話が落ち着いたかを公開しなければならないができていない」と、議論のプロセスが見えない点が最も問題だったと指摘。 都議会のホームページ上には、検討委員会の開催日時や議事で使った資料、検討委員会の議事録と決定した内容などを掲載していますが、これらの掲載の仕方は従来どおりで、肝心な議論過程を知るには不十分とみています。 また「生活に忙しく、いろんな情報にあふれる中、わざわざ検討委員会の情報を拾いにいく都民がどれだけいるか。見ていない都民がいけないという姿勢ではなく、(最大会派の)都民ファーストが積極的に都内に出て行ったり、メディアに宣伝したり、知らせる機能を強化しなくてはいけない」と、十分な説明責任の意識が必要と重ねて強調しています。