運命のドラフトを迎える正吾

果たして指名されるのか。 10月24日に迫ったプロ野球ドラフト会議で、注目されるのが慶応大学の４番・清原正吾（22）だろう。プロ通算525本塁打をはなったレジェンド・清原和博氏（57）の長男で、身長186㎝、体重90㎏と父親並みの恵まれた体格だ。知名度バツグンの正吾だが、彼の野球人生には６年間のブランクがある。 【思わず二度見】「番長」がガン見で観戦…清原和博の長男・正吾「意外すぎる」素顔写真 「正吾が野球から離れていた期間は、和博氏が“荒れていた時期”です。和博氏は亜希夫人と’14年８月に離婚。正吾や次男・勝児とも別居し、’16年２月には覚醒剤取締法違反で逮捕されました。正吾は父親の相次ぐトラブルで、野球に嫌気がさしたのでしょう。複数のメディアに『父と野球が嫌いになりました』と答えています」（全国紙スポーツ紙記者） 正吾は、慶応高でアメリカンフットボール部に所属していた。しかしコロナ禍で部活動が中止になると、疎遠だった父親と野球の練習を開始。あらためて父親とキャッチボールができる幸せや、野球の楽しさを実感したという。本格的に野球を再開したのは、慶大に入学してからだ。 ◆夏場までの本命は…… 「入学当初の正吾の実力は、ブランクが影響し大学の体育会レベルではありませんでした。３年次までは、東京六大学野球のリーグ戦で９打数１安打の成績だったんです。急成長したのは４年生になってから。父親譲りの恵まれた体格と優れた運動神経で能力を開花させ、慶大の４番に抜擢されたんです。現在行われている秋季リーグでは、２本塁打（成績は10月22日現在、以下同）を放っています」（慶大関係者） とはいえ、秋季リーグの打率は２割と物足りない。プロで通用するのだろうか。 「即戦力としては厳しいでしょう。現在の実力ではプロに入るとしても育成枠が現実的。ドラフトでの指名漏れもありえます。ただ伸びシロがあるのは確かです。６年間のブランクがありながら、慶大の４番に成長したのですから。即戦力としてではなく将来性を重視するなら、ドラフト下位で獲得に動く球団があるかもしれません」（前出・記者） 具体的にはどこのチームなのだろうか。 「指名があるとすれば、夏場までの本命は中日でした。監督の立浪和義さんは、和博さんのＰＬ学園の後輩。今年７月の巨人戦では和博さんが始球式を行い、親交の深さがうかがえました。しかし立浪さんの監督退任が決まり、正吾の獲得は微妙な状況でしょう」（同前） ◆「親子デビュー」も 中日に代わり獲得の噂が高まっている球団がある。 「和博氏の古巣・西武です。今季の西武は91敗を喫しダントツの最下位となり、ファン離れが加速しています。チーム打率.212、60本塁打はいずれもリーグワースト。人気回復や打線復活の起爆剤として、知名度と将来性のある正吾はうってつけの存在でしょう。 父親・和博さんの存在も大きい。逮捕歴のある和博さんに対してはコンプライアンス上問題があるのではという見方もありますが、球団としては禊（みそぎ）が済んだという考えのようです。（今季監督を務めた）松井稼頭央さんや渡辺久信さんが退団するなどＯＢとの関係が薄れるなか、和博さんとのパイプが太くなれば西武も心強い。和博さんが臨時コーチを務める『親子デビュー』の可能性もゼロではないでしょう」（同前） ドラフト会議では、直前に球団の方針が変わることは珍しくない。フタを開けてみないとわからないが、正吾が将来性のある魅力的な存在であることは間違いない。