「無罪を信じて待つだけ」丸山被告は犯人か否か…注目の裁判所の判断は? 専門家が指摘する判決のポイントは「一方向だけの足跡」と「間接証拠の判断」「アリバイの認定」【現職県議の妻殺害事件】23日に言い渡し
靴の足跡は、出入り口から金庫に向かって一方向にだけ残されていました。 飽津史隆弁護士: 「足跡のつき方がとても中途半端なんです。例えば物盗りに入って奥さんに見つかりました、びっくりして奥さんの首を絞めましたって言うなら、首を絞めた付近にもっとドタドタいっぱいの足跡がついて当然なはず。それがないんですね」 足跡をはじめ、現場の痕跡については、検察側が特に強調した点であり、物盗り犯を装った被告の偽装工作であると主張。 さらにこの足跡が10年前に丸山被告が履いていた「テニスシューズ」の靴底とデザインが一致したことも、被告の関係性を強めると主張しました。 一方、弁護側は、物盗り犯の靴の付着物が薄れて足跡が残らなくなった。 被告が事件当時テニスシューズを持っていたことは証明されておらず、偽装工作をした証拠もないと主張しました。 裁判所はこの「足跡」をどう認定するかが、ひとつのポイントになると専門家は話します。 飽津史隆弁護士: 「物盗りの犯行の可能性が払しょくできないと認定されれば、とびます(無罪になる)間違いなく」 一方で、間接的な証拠を個別に見るのではなく、総合的に捉えることも重要な要素になると言います。 飽津史隆弁護士: 「一個一個とらえればそういう(第三者の犯行)可能性も確かにあるのかもしれないけど、可能性がそんなに大きくないことを重ねていくと、社会的事象として起こりにくいことがポンポン重なるということは、逆にいうと、その人(被告)しかあり得ないという判断に結びついていく」 判決でのもう一つのポイントは、議員会館にいたという丸山被告のアリバイが認められるかどうかです。 逮捕前の取り調べで、丸山被告は犯行時間帯、一般質問の原稿をパソコンで入力したと説明したといいます。 しかし、パソコンの解析結果から、丸山被告は夜にパソコンを起動させたものの、原稿のファイルには一文字も打ちこまれていなかったことが明らかとなりました。 11月20日の被告人質問で検察側は、丸山被告の矛盾点を追及しました。 検察: 「(取り調べで)あなたが話したのではないですか?」 丸山被告: 「私がペラペラしゃべったようになっていますけど、実際にそんなことはないです」 録音録画をされた上、自ら間違いが無いことに署名した取り調べの内容を否定したのです。 これについて弁護側は、取り調べは、事件から1年2か月後の事であり、正確に記憶していなくても不思議ではないなどと主張しました。
このほか犯行の動機について、検察側は、LINEのやり取りなどから、被告は元不倫相手との交際を強く望んでいたものの、議員の立場、妻の実家への借金があったことから離婚はできずにいたなどと主張。 一方、丸山被告は「妻と離婚するつもりは無かった」とこれを全面的に否定。 弁護側も、妻がいなくなり一番困るのは被告自身などとして、殺害する動機は無いと主張しました。 12月5日、SBCの接見に応じた丸山被告は 「やることはやったので、ある意味大丈夫だろうと、無罪を信じて待つだけです」 判決は23日の午後1時半に言い渡されます。
信越放送
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