日本冷凍食品協会 「社会構造の変化が追い風」 大櫛会長
日本冷凍食品協会はこのほど年末記者会見を開き、大櫛顕也会長(ニチレイ社長)は「高齢化や女性の社会進出など社会的な構造変化を背景に、冷凍食品の市場は家庭用、業務用ともまだまだ広がっていく」などと語った。 2024年の国内生産量は156~158万t、前年比101~102%を見込む。市場動向について、大櫛会長は「家庭用は卵不足の解消やコメ不足の代替需要で数量が回復し、金額でも伸びている。おいしさが支持されるとともに、時短・簡便ニーズに応えるタイパに優れた食品でもある。近年は健康機能を付与した商品開発も活発化してきた。業務用のうち外食は人流の回復とインバウンドが追い風で、数量・金額とも若干プラスとみられる。また給食、総菜などいずれの業態も人手不足や人件費の上昇が深刻で、オペレーションの簡素化に貢献できる冷凍食品へのニーズが一段と高まっている」。 25年に向けては「あらゆる食品の物価高が継続する中で、冷凍食品が選ばれる存在になることを追求し続けなければならない。業界全体で生活者の変化や業務用ユーザーのニーズに柔軟に対応していくことが重要」。 一方、協会は昨年12月に公表した「物流の適正化・生産性向上に向けた冷凍食品業界の自主行動計画」に従い、冷凍食品物流の持続的成長の確保を目指している。その一環で冷凍食品大手5社(味の素冷凍食品、テーブルマーク、ニチレイ、ニッスイ、マルハニチロ)は物流の安定化を協働で検討している。各エリアですでに行っている共同配送を基盤に拡大する方針。 大櫛会長は「5社で目指す方向性は同じだが、エリアや得意先によって事情が異なるなど物流の課題は非常に複雑。連携可能なことから徐々に取り組んでいる」とした。