「#MeToo」運動が再燃する? 性犯罪者ハーヴェイ・ワインスタインの裁判がやり直しに
ワインスタインを告発したローズ・マッゴーワンは、インスタグラムにステートメント・ビデオをアップ。「判決が覆されようと、私たちが何者で、何を知っていて、何を経験し、この人生で何を達成できるかを奪うことはできません。私たちは被害者ではありません。私たちは悪によって傷つけられた人間なのです」と仲間に語りかけ、「明日、私たちは立ち上がります」と連帯を呼びかけている。 (ローズ・マッゴーワンのInstagramより)
1992年の『白馬の伝説』(’92)製作中にワインスタインから暴言を浴びせられたと主張するエレン・バーキンは、この逆転判決を速報したNBCのアンカー、ケイティ・ファンのポストをリポストし、「これは暴挙よ」と怒りを表明。 (写真:エレンバーキン)
またワインスタインの裁判で証言台に立った俳優ロージー・ペレスは、Xで「ニューヨーク・タイムズ」紙のジョディ・カンター記者の記事をシェアするとともに "WTF!(なんなのよ、これは!)"と書き込んだ。ロージー自身はワインスタインから性的虐待されたわけではないが、友人のアナベラ・シオラが彼にレイプされたと証言していた。そして告発はしなかったが証言台に立ったシオラは、いわゆる“モリニュー証人”の一人だった。 (写真:ロージー・ペレス)
そしてシオラの勇気を称えつつ、裁判の欠陥を指摘したのが『誘惑のアフロディーテ』(’95)でオスカー受賞したミラ・ソルヴィノ だ。作品プロデューサーだったワインスタインにセクハラを受けて、俳優としてのキャリアを台無しにされたミラは、判決取り消しの報道を受けるやXに投稿。「被害者ではなく略奪者に偏った司法のシステムにうんざりしている」と書いている。 (写真:ミラ・ソルヴィノ)
今後の判決の行方はいかに...
ニューヨーク州では被告が行なったとされる過去の犯罪(追訴されていない)の証拠を裁判で採用するか否かは事前に審査が必要で、ジェイムズ・M・バーグ判事はなぜかその審査を失念していた。痛恨のミスだったのだ。 ちなみにワインスタインが懲役16年の有罪判決を受けたカリフォルニア州では、別事件の被害者が証人となる場合の審査は不要。起訴状に記載されていない性犯罪の申し立てを認めることができるため、検察側は被告人の過去の性犯罪の証拠を提出し、被告人に対する告発の一部ではない証人を呼び出すことが可能だ。ニューヨーク州最高裁の決定を受けて、カリフォルニア州最高裁も同様の決定を下す可能性があるとの報道もあったが、上訴が通る可能性は限りなく低そうだ。