「売れても満たされない」ウエストランド井口ד配信王”永野は更年期!?
売れても満たされない
――お二人はテレビに出る前は地下ライブなどで共演されてきたんですよね。 井口「それもちょっと違って。永野さんは真の地下にいましたが、僕らはライブの中では割とメインストリームだったので」 永野「僕はホリプロをクビになって、地下しか居場所がなかった。なので、昨今の『地下芸人で~す』という軽いノリの若者たちとは気持ちが違うんですよ。本当にイヤだったんで」 井口「当時の地下って本当に最悪の場所でしたからね。地上に出ることもできなくて」 ――なるほど。そんな若手の頃からのお知り合いで、お互いに同志という感覚はあるのですか? 井口「もちろんあります。番組で一緒になるのはうれしいですね。ライブにしか出ていなかった時に、爆笑問題の番組『爆チュー問題』にはよく呼んでもらってて。その頃くらいから、どんどんやけくそになってきて、バラエティ番組なのに、演出の人に『ふざけないでください』って怒られていましたね」 永野「僕だけが怒られるんですよ。太田(光)さんが仕掛けたことなのに、僕だけ」 井口「あの頃から目が変わってきた気がする」 永野「誰かが急に来られなくなったとなった時に前日に呼ばれる、そういう扱いですから」 井口「永野さんは、次の仕事があるのに『爆チュー問題』の打ち上げでしこたま酒を飲んで行くなんてこともありましたね」 永野「そんな時期もありましたね」 ――そこから抜け出し、お二人とも自分のやりたい仕事も少しずつ増えてきて、鬱屈としていた頃とは気持ちは変わってきましたか? 永野「多分、井口も同じだと思いますが、当時よりお金ができたから満たされるわけじゃないんですよね。心に関してはビジネスではないというか」 井口「それは一緒かも知れない」 永野「井口の場合は、いい意味で“素質”なんです。お金持ちになって素敵な奥さんと家庭を築いても、心の中には燃えるものを持っている人で。対して僕は単純に“更年期”で、単にイライラしてるだけ。更年期と、前より仕事をもらえるというブームが重なっただけ。これから年を取って収まっていくのか、それとも痴呆も入ってもっとやっかいな人物になっていくのかは分からないです」 井口「僕も、最初は売れたら満たされると思ったけど、今でも“幸せだな~”みたいな瞬間は1秒たりともない。満たされないんですよ」 永野「最近は毒舌の芸人やタレントも増えてきたじゃないですか。“何なんだ君は?”みたいな人もいて」 井口「無作為に悪口だけを言う女性タレントとかいますからね。思っていることを言えばいいなんて、そんな簡単じゃねぇからな!」 永野「そういう人とは全然違うんですよ、僕らは」 井口「でも満たされない人生って、どうなっていくのか…永野さんを見ていると不安です」 永野「だから僕は井口には満たされて欲しいんですよ。10年後、僕みたいに症状が出てくると本当にヤバいんで」 井口「僕も満たされたいと思っているんですが、なかなか…。周りから『そんなこと言って、満たされているでしょう?』とか言ってくると、『じゃあこの人生やってみろよ!』って言いたくなってしまう」 永野「本当に不遇だと思います。だって自分で鏡を見ても“怒り”しかないんですから。ちなみに、“満たされているかどうか”の自問自答はすでに終わっているので、そうやって他人がイジってくる程度のことは、とっくに自分で疑い済みです」