西部ガス、初の8強で完敗ながら収穫も「チームとして成長できた大会」【社会人野球日本選手権】
社会人野球・日本選手権(京セラドーム大阪)で初のベスト8進出を果たした西部ガス(九州・福岡)は6日、準々決勝で一昨年の覇者・トヨタ自動車(東海・愛知)に0―4で敗れ、初のベスト4進出はならなかった。今年のドラフト候補にも名前が挙がっていたトヨタ自動車の左腕・増居翔太(24)に4安打完封を許した。 ■本家応援団を上回る動き「くまモンが一番キレキレ!」【動画】 「完敗です。ウチがやりたかったことができなかったかな、というのはありますね」 就任1年目の松薗史敏監督(35)も無念さを隠し切れなかった。1回戦のJR東日本戦で完封継投を見せた高椋俊平(28)と村田健(30)の両投手を2回戦では温存。この準々決勝に満を持して投入したが、先発した村田が2回、4安打2四球と乱れての3失点と大誤算。「あれがすごく大きかった。村田の調子は悪くなかったと思うんですが、トヨタ自動車さんのプレッシャーなのか、ちょっと慎重になり過ぎた部分があったのかな」と松薗監督。3回からリリーフした高椋が、7回までの5イニングを1安打無失点に封じて踏ん張りは見せたが、攻撃陣はトヨタ自動車・増居の前に三塁すら踏めないまま、完全に封じ込められた。 「すごく出来がよかったので、まず得点圏に走者を置いてというか、足を使ってどうか、というところもやってみたんですけど、やっぱりそこは相手が一枚上手でした」 そう振り返った松薗監督は、3点ビハインドの5回には無死一塁から送りバントを指示、さらに3回2死一塁、6回1死一塁ではいずれも一走・樋口昇樹外野手(23)に二盗を敢行させたが、二度とも失敗に終わるなど、積極策も実らずじまい。それでも、2012年の創部以来、初となる日本選手権8強進出に「チームとして成長できた大会」と指揮官は総括し「社会人のトップともいえるトヨタ自動車さんと、こういうところで試合ができて、どういうチームが勝ち上がれるかということを肌で感じられたというのは、西部ガス野球部にとって、かなりの財産になる。今年すごくいい1年だったので、これをただの1年にせずに、来年につなげていきたい」と今後を見据えた。
西日本新聞社