ロシアが運用する「超音速戦略爆撃機」複数の機体が元ウクライナ所有!? かつての持ち主に攻撃
ウクライナのインフラ攻撃などに使用か?
ウクライナ政府の公式サイト「ユナイテッド24」は2024年11月27日、ロシア空軍で運用されているTu-160戦略爆撃機の少なくとも6機が、ウクライナ侵攻以前に引き渡した機体であると報告しました。 【かつて持ち主に牙をむく…】これが、ロシアに運用されている元ウクライナのTu-160です(写真) これらの機体はアメリカ合衆国議会の出資で運営されている「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」の調査で明らかになったことだそうです。 Tu-160は、可変翼を有する超音速戦略爆撃機です。1980年代からソビエト連邦で運用が開始されました。北大西洋条約機構 (NATO)では「ブラックジャック」のコードネームで呼ばれています。 ソ連崩壊直後、ウクライナ空軍は同機を19機も保有していましたが、そもそもウクライナでは過剰な戦力であり維持費もかさむことから、1999年、ウクライナが輸入ガス債務の帳消しと引き換えに8機程度をロシアに引き渡し、それ以外は退役させました。 同機は空中からKh-55やKh-101といった巡航ミサイルを発射できる能力を有します。ミサイルは敵の防空網の外から攻撃できる「スタンドオフミサイル」に分類されます。ウクライナとの戦闘では、引き渡されたTu-160が積極的に配備され、かつての母国を攻撃しているようです。 なお、既存のTu-160とは別に、エンジンやアビオニクスなどを一新して近代化したTu-160Mの生産が始まっています。最初の機体はすでに納入されたといわれており、2027年までに10機が引き渡される予定だといいます。
乗りものニュース編集部