【速報】「なんで分かってくれんのや」『凶器』も『目撃者』も見つからない殺人事件 捜査の拠り所「ドラレコ」不鮮明画像 1審は懲役16年の判決 被告が控訴「証拠に基づかぬ的外れの判決に怒り」と弁護団 記者がたどる『判断の分かれ目』と裁判員の苦悩【羽曳野殺人】
■裁判員「使える証拠と使えない証拠が散在。難しかった」
判決後、取材に応じた2人の裁判員は、3カ月の裁判をこう振り返った。 【裁判員】「使える証拠と使えない証拠が散在し、確定しているところ(使える証拠)を積み重ねるとこれしかないよねということになりました」 【裁判員】「ドラレコ画像に映ったセンサーライトからの犯人の動き。被告が玄関先にいたという矛盾が腑に落ちなくて、被告人以外の犯人を考えるのには無理がある」 判断を分けた、センサーライトの点灯。 難しい判断を迫られた裁判員の言葉が心に残った。 【裁判員】「色々考えて犯人は山本被告だと思っているんですけど、100パーセント詳細に腑に落ちたかと言われれば、証拠が上がってこないところもあり、クエスチョンマークもあるんです。現実の事件というのはこういうのかなと…」
■被告「頭が真っ白になった」 「証拠に基づかない的外れの判決に怒り」と弁護団
1時間半余りにわたり裁判長が判決理由を読み上げる間、山本被告は微動だにせず、まっすぐ前を向いて聞いていたが、閉廷したとたんがっくりと肩を落とし、背中を丸めたまま刑務官の押す車イスに座り法廷を後にした。 判決の瞬間、何を考えていたのだろうか。 後日、拘置所の山本被告に尋ねると、次のような答えが返ってきた。 「その場では頭が真っ白になって。とりあえず悔しくて、何で分かってくれんのやって。無理やりこじつけたような言い方してたんで…」 弁護団は11日、「1審判決は検察立証に対し、ほとんどの点で破綻していると判示した。長時間の審理を行いながら、証拠に基づかない的外れの判決という他ない判決に、怒りをもつ」として、大阪高裁に控訴した。 2審での審理が注目される。 【関西テレビ 司法担当記者 菊谷雅美】
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