「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」中村雅俊・久本雅美・田中美佐子が意気込みを語る
「俺の予定になかった」歌手デビューが人生を変えた!
中村 あとは、さっきも話にあったけど、歌も歌うようになったのは、俺の人生をずいぶん変えたなと思いますね。普通に役者でデビューして、「歌う」というのは自分の中でも予定になかったんでね。俺は7→5代目の先生役だったんだけど、その前の村野武範さん(『飛び出せ!青春』)や竜雷太さん(『これが青春だ』)も歌ってたので、俺も歌うことになって「ふれあい」を出したら売れちゃって、コンサートをやることになり、そこからずっと歌うことになったのよ。 田中 結果として、歌は合ってましたよね。 中村 そうなのかもね。 久本 前から自分で音楽はしてたんですか? 中村 高校の頃からね。俺らの時代はみんな四畳半でギターを弾いてたから。大学の頃、曲を作るのが好きで80曲くらい作ってるの。「ふれあい」の次のアルバムの時は、レコーディング・ディレクターに俺の曲を聴かせてくれって言われて結局、俺が大学時代に作った曲なの。 久本 めっちゃ才能あるじゃないですか! 田中 売れたんですか? 中村 2位まで行ったよ。でも、まあそれは勢いでね(笑)。でも今度、50周年記念の4枚組のCDを出すんですけど(中村雅俊 4枚組オールタイムベスト盤『SONGS~Masatoshi Nakamura 50th Anniversary All Time Best~』5月29日発売)、そのうちの2枚は「ファンが選ぶベスト30」で、あとの2枚は俺が作った曲なんです。 久本 すごい! 中村 いやいや、ものすごく地道に作った曲なんですけど…。 田中 明治座で売る時にブロマイドを付けて売りましょう! 私、受付に立ちますよ(笑)! 久本 元女房としてね(笑)。 ――明治座の話が出ましたが、今回の音楽劇「どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~」は中村さんの故郷の宮城県を舞台に展開します。この物語への思いを聞かせてください。 中村 喜劇だと感じる人も多いと思いますが、根底には東日本大震災というものがテーマとしてあって、震災との戦い――そこから復興した街、そこで暮らす人々のたくましい戦い、人間模様が表現されています。 俺が演じる主人公は星川誠というんですが、星川誠を演じつつ、最終的には中村雅俊と一致するような物語になるんじゃないかと思っています。 取材・文:黒豆直樹 撮影:源賀津己 <公演情報> 明治座「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」 公演期間:2024年6月2日(日)~18日(火) 会場:明治座