米国でのビットコインETF承認に金融市場が騒然。ビットコインは2030年までに価格が35倍になる!?
ビットコインETFが初めて申請されてから、承認に至るまでには10年以上を要している。ところが、実はビットコイン投資に近い効果を持つETFはすでに取引されていた。 「今回承認されたのは現物(=ビットコインに直接投資する)ETFですが、ビットコインの価格を予想し合って取引する、先物価格に連動したETFは2021年に承認されていました。 SECは現物ETFの承認を渋っていましたが、裁判所に『ビットコイン先物と現物は非常に類似した金融商品であるにもかかわらず、現物ETFを認めないのは恣意(しい)的で気まぐれ』と言われる始末。現物ETFの認可は時間の問題だったのです」(伊藤氏) ■ビットコイン価格の今後の動向は? 気になるのは今後の価格動向。別掲のチャートを見るとわかるが、実はETFが承認されて以降、価格は短期的には下落傾向にある。これはなぜ? 「ETFの承認は既定路線で、すでに価格に織り込まれていたからです。そのため、利益確定の売りが続いたのでしょう。 とはいえ、ビットコインが『金融資産としての信頼性』を手に入れたことは間違いなく、長期的に見れば大きなプラスだと思います」(伊藤氏) このニュースに反応して、成長株投資で名をはせた米国ファンドマネジャーのキャシー・ウッド氏が「ビットコイン価格は2030年までに150万ドル(=約2億2200万円)に達する可能性がある」との仰天予想を出した。マ、マジですか!? 「現状から約35倍の上昇ですが、これはさすがにポジショントークでしょう。とはいえ、ビットコイン価格が今後上昇しやすくなる点は疑いないと思います」(増田氏) まあそうですよねー。上昇基調が続く根拠は? 「現在、世界の株式市場の時価総額は100兆ドルを超えています。それに対して、ビットコインが約半分を占める仮想通貨の時価総額は約1.6兆ドルに過ぎません。ということは、大手機関投資家や個人が株式に投資している資金のわずか1.6%を仮想通貨に移すだけで、その時価総額に匹敵するマネーが流れ込むことになります」 ビットコインの価格はこの5年で10倍以上になった。年率60%以上の運用成績を上げた金融商品に投資できるチャンスがあったら、貯金100万円のうち1万円くらいは投資してみたいと考える人が出てきてもおかしくはないだろう。 それが機関投資家を巻き込んで現実化するなら、ビットコインの価格が上昇を続ける可能性は十分といえる。 「ETFのスタートはビットコインが金融商品として成熟した証しといえます。今後、価格の乱高下は減るでしょう。値動きはより堅実なものになると思います」(増田氏) ビットコインが定番の投資先になる未来は想像以上に近そうだ。少しだけでも保有をしておけば、35倍まではないにせよ、いい夢を見られるかも? 取材・文/日野秀規