【ライブレポート】エルスウェア紀行が初ツアーで見せた、優しく歪な音の世界「私たちはずっと音楽を続けていきます」
エルスウェア紀行のツアー「2nd album ひかりを編む駐車場 -release acoustic tour-」の最終公演が11月9日に東京・Time Out Cafe & Dinerにて行われた。 【画像】「2nd album ひかりを編む駐車場 -release acoustic tour-」東京公演の様子。(提供:ELSEWHERE KIKOU / Sony Music Publishing (Japan) Inc.)(他7件) 「2nd album ひかりを編む駐車場 -release acoustic tour-」は2ndアルバム「ひかりを編む駐車場」のリリースを記念して開催されたもので、エルスウェア紀行がツアーを行ったのはこれが初。2人はアコースティック編成にて2時間にわたってライブを繰り広げた。 ミラーボールがゆったりと回転し、穏やかな空気が流れる会場。そこにヒナタミユとトヨシが姿を現すと、観客は温かな拍手で迎え入れる。2人は「素直」でライブをスタートさせ、繊細さや力強さを併せ持った歌声とギターの音色、トヨシお手製の“足ドラム”によるビートを響かせていく。そのまま「無添加」「キリミ」が演奏され、トヨシが激しいギタープレイを繰り広げたあとには大きな拍手が沸き起こった。その後ヒナタは初めてのツアーについて振り返りつつ「楽しんでいってください」と声をかけ、「少し泣く」を歌唱。続く「鬱夢くたしかな食感」ではトヨシの複雑で情動的なギターサウンドが炸裂し、その優しくも歪な音に観客は浸り続けた。 中盤には「天国暮らし」「光の位相」とゆったりしたテンポの楽曲が続けて披露され、会場にはリラックスした空気が満ちていく。ヒナタは情緒あふれる歌声を、観客1人ひとりに染み渡らせるようにじっくり聴かせ、オーディエンスを魅了。「天才は今度」では疾走感あふれるサウンドに伸びやかな歌声が乗せられた。縦横無尽に動き回るギターの音色とキャッチーなメロディが印象的な「あなたを踊らせたい」では客席でハンドクラップが発生し、演奏後には大きな歓声が2人に送られた。 ライブ終盤にはヒナタがアルバムに込めた思いや、来年6月に控えるバンド編成ワンマンについての思いを述懐。「バンド編成でのライブは、音像もアコースティックと全然違いますし、全然違う景色になると思うので楽しみにしていてほしいです」「皆さんとなるだけ元気に再会できたらうれしいなと思っています」と語り、アルバムの大事なピースになったという「冷凍ビジョン」、アルバムを締めくくる「ひかりの国」を歌い上げ、2人は退場した。アンコールで再び登場した2人は「beautiful day」「問題のない朝」をしっとりと聴かせてライブを再開させる。そしてヒナタの「私たちはずっと音楽を続けていきますので、その旅の途中で何度だって出会えたらうれしいです。また明後日会いましょう」という言葉に続けて、2人は「ひとときのさよなら」を披露。美しい歌声と音を優しく届け、ひとときの別れをそっと告げた。 なおバンド編成ワンマン「夢幻飛行 2025」は来年6月14日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて行われる。 ■ セットリスト □ 「2nd album ひかりを編む駐車場 -release acoustic tour-」東京公演 2024年11月9日 Time Out Cafe & Diner 01. 素直 02. 無添 03. キリミ 04. 少し泣く 05. 鬱夢くたしかな食感 06. 天国暮らし 07. 光の位相 08. スローアウェイ 09. ムーンドライバー 10. 天才は今度 11. イマジン 12. いつか 13. ロマンチックサーモス 14. あなたを踊らせたい 15. 冷凍ビジョン 16. ひかりの国 <アンコール> 17. beautiful day 18. 問題のない朝 19. ひとときのさよなら ■ 公演情報 □ エルスウェア紀行 単独公演「夢幻飛行 2025」 2025年6月14日(土)東京都 渋谷CLUB QUATTRO