最後の出場枠を懸けた争い。「オリンピック予選シリーズ ブダペスト大会」スポーツクライミング
7月26日から8月11日にかけて開催されるパリオリンピック2024で、金メダルを含む複数メダルの獲得を目標に掲げているスポーツクライミング日本代表チーム。 今回160人以上のクライマーが、「オリンピック予選シリーズ(OQS)」でパリオリンピック出場に向け競い合っており、国際スポーツクライミング連盟(IFSC)によると、ボルダー&リードの複合種目で男女各10名、スピード種目で男女各5名が出場枠を獲得できる。 現時点ではボルダー&リード種目では日本人から3名、女子の森秋彩と男子の楢崎智亜、安楽宙斗が内定。すでに女子1枠、男子2枠が埋まっているため、残り女子最大1枠の獲得を目指し争われる。一方、スピード種目では日本人の出場枠が決まっていないため、男女ともに最大2枠を懸けて戦いに挑む。 残された出場枠獲得を目指し、先日行われた上海大会(5月16日~19日)およびブダペスト大会(6月20日~23日)のそれぞれの成績に応じたポイントで競い、パリ五輪出場を懸けて争われる。
ボルダー&リード種目 注目選手
女子ボルダー&リード種目では、東京2020銀メダルを獲得しスポーツクライミングを日本に広めた立役者である野中生萌と、念願のオリンピック出場へ向け意欲を見せる伊藤ふたばが残り1枠となったオリンピック出場枠を巡る戦いの中にある。 OQS上海大会終了時点で野中生萌が38ポイントを獲得し総合4位、伊藤ふたばが36ポイントを獲得し総合5位となっており、ブダペスト大会でその差は簡単にひっくり返る可能性がある。
野中生萌
OQS上海大会の終了時点で総合4位となり、OQSにおいて世界から注目を集める野中生萌は、東京オリンピック2020で新競技となったスポーツクライミングの女子複合決勝で総合2位となり、銀メダルを獲得した。前回大会のメダリストとして今大会でもメダル獲得を目指す。 2023年、ワールドカップで5年ぶりの優勝を含む2つのメダル獲得。課題として取り組んでいたリードでは世界選手権で決勝進出も果たし、複合種目で挑むパリへ向けて仕上げてきた。東京大会の後は2種目に集中し、トライ&エラーを繰り返しながら持久力を中心にを鍛えてきた。