【コラム】英国に夏到来、ロイヤルアスコット開催 チャールズ国王愛馬がハーツ産駒に借り返すか
英国に夏の到来を告げる英国王室主催のロイヤルアスコット開催が、火曜(18日)に幕を開けました。 土曜(22日)まで続く5日間の開催では8つのG1競走を含む19の重賞が凝縮して行われます。 この開催を象徴する王室ご一家による馬車行列“ロイヤルプロセッション”は皇帝ナポレオンを倒したジョージ4世が統治していた1825年に始まったと伝えられる古式ゆかしき伝統。チャールズ国王とカミラ王妃、ウィリアム皇太子、アン王女など王室のファミリーを乗せた馬車が競馬場に午後2時に到着すると、その30分後には5日間開催の皮切りとなるクイーンアンS(G1、芝1600メートル)がスタートします。 昨年はエリザベス女王の馬遺産の中に含まれていたデザートヒーロー(牡4、父シーザスターズ)が、開催3日目のキングジョージ5世S(芝2390メートル)に優勝、チャールズ国王とカミラ王妃は馬主としてロイヤルアスコット初勝利を体験しました。 チャールズ国王は、この優勝をきっかけに、それまでさほどではなかった競馬への興味が深まったようで、今年もデザートヒーローを筆頭に5月31日のG1英オークス(11着)に挑んだトレジャー(牝3、父マスタークラフツマン)、前走2着馬に7馬身半差をつけて勝ち上がったギルデッドウォーター(せん3、父ファストネットロック)など5頭の愛馬を複数のレースに出走させる予定になっています。 開催最終日のハードウィックS(G2、芝2390メートル)に出走予定のデザートヒーローは前売りで3番人気。断然の1番人気に推されているのはハーツクライを父に持つ日本産馬で、昨年の英セントレジャー(G1、芝2910メートル)でデザートヒーローを3着に退けたコンティニュアスです。 対するデザートヒーローは、今年まだ勝ち星こそないものの2戦を消化して順調。王室ファミリーの応援を得て、G1凱旋門賞(5着)以来、これが約8カ月半ぶりの休み明けとなるコンティニュアスに借りを返すシーンが見られるかもしれません。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)