『選書サービス』記者が体験取材 書店員ならではの本の選び方
書店員が自分にあった本を選んでくれる『選書サービス』。今年オープンから5年を迎える書店『文喫』(東京・六本木)の選書サービスを日テレNEWSの記者が体験取材。担当していただいた副店長の及川さんに、どのように本を選んだのか解説していただきました。
『選書サービス』は、「店頭でお客様とお話ししているときに、“おすすめの本ないですか”“選んでほしいです”という声があったので、サービスとして始めようかということで始めて、想像以上に需要がありました」とお客さんの声をきっかけに開始したといいます。
■ヒアリングシートをもとに選書
文喫の『選書サービス』では、用意された『ヒアリングシート』の質問に回答し、その回答に応じた書籍を専門スタッフが選んでくれます。 今回記者(20代)が体験したのは店頭で選書された書籍を楽しめる、店頭受取コース(入場料込み・書籍代別で税込6000円)。事前にオンラインでの回答が必要なヒアリングシートには年齢・職業のほか、『選書テーマ』や『最近よかったと感じた本・映画・音楽について』など16の質問があります。ヒアリングシートを返送してから、2週間以降で希望の日程を指定し、店舗に案内されるという流れです。店舗では、そのまま気に入った書籍を購入することもできます。
■記者が体験 今回の選書テーマは“新しい視点”
●ヒアリングシートの回答内容(一部抜粋) ・選書テーマ 日常に広い視野を取り入れたいです ・テーマの選出理由 新生活にも慣れはじめ、良くも悪くも一定のリズムができあがりました。そんな日常を、新たな視点・少し変わった視点で見直すようなきっかけに出会いたいからです ・普段読む作家やジャンル 江國香織さんや村上春樹さんなどの小説がほとんどです ・最近よかったと感じた本・映画・音楽など 最近ではないですが2021年9月発売の雑誌『小説TRIPPER』に掲載された江國香織さん『川のある街』も印象に残っています。小学生の女の子の視点で描かれ、明らかに大人っぽい視点なのですが、小学生っぽさも残っていて、読んでいてふわふわした感覚を覚えています。 ・自由記入欄 最近嬉しかったことは、近所に昔ながらの喫茶店があり、しかもそこの店主さんはいかにもおいしいコーヒーを入れそうな白ひげを生やした見た目だったことです。 小説を好んで読む記者が、今回選書のテーマとして設定したのは「日常に広い視野を取り入れる」こと。社会人として働き始めて3年がたち、良くも悪くも一定のリズムができあがってきた日常に、“新たな視点”や“少し変わった見方”を取り入れることを目的としました。指定した書籍のジャンルは読書経験のある国内外の文学作品のほか、普段なかなか手にとらない宗教、哲学、絵本などのジャンルも選択しました。