佐久間宣行さん SNSの反響は「面白いよりも、『なんだ、この番組』という反響のほうがいい」
佐久間さんが最近面白い感じた作品とは
また、情報収集は過度に行わない。 「『ずるい仕事術』でも書きましたが、僕はテキスト世代で、自分が好きな作品の感想を検索しています。ただそういうときも、感性が合うと感じた一般の方のブログを10個くらいだけ選んでブックマークし、RSSリーダーで購読しています。それでその人たちがオススメする作品をチェックしたり、仲間内のLINEグループで話題になった作品なんかを確認したりしています」 佐久間さんが最近面白かったのは、Netflixバラエティー『白と黒のスプーン』とコミック『ハヴィラ戦記』だという。 「『ハヴィラ戦記』は、小さな人型生物が人間に保護され、希少種だからと子作りを強制される、という話です。新人作家が書いた作品ですが、とても面白いです」 本書『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』も、情報収集とフィードバックの積み重ねで書き上げられたものだという。悩み相談や企業講演での経験が生かされている。 「講演は銀行、メーカー、商社、エンタメ業界など、さまざまな企業から依頼をいただいています。年齢層も新人から管理職まで幅広いです。講演ごとにパワーポイントの資料を調整しますが、フィードバックを受けることが多く、それを生かしてきました。日本大学で特別講演も行いましたし、早稲田大学では今年の3月に学部卒業式の祝辞を担当しました。卒業から27年経ち、祝辞を読むことになったのは面白い経験でしたね」 優等生ではなかったと話す佐久間さんだが、彼にとっての人生の師、モデルケースとなる人物は誰か。 「全てが完璧な人物はいないかもしれませんが、僕が独立したきっかけは、がむしゃらに働く先輩を見たことでした。管理職になるより現場でチャレンジしたいと思ったのが一つです。ビートたけしさんの他、伊集院光さんや東野幸治さんが、50歳を超えても自分で面白いものを見つけ、楽しんでいる姿も素晴らしい。自分もそうなりたいと思っています」。佐久間さんは、常に自分自身をアップデートし、楽しみながら挑戦を続けている。 ■佐久間宣行(さくま・のぶゆき)1975年11月23日、福島県いわき市生まれ。テレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティ。「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「トークサバイバー」などのテレビ番組、配信作品を手がける。元テレビ東京社員。2019年4月からラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」のパーソナリティを担当。YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」は登録者数224万人を突破(24年9月現在)。著書に『佐久間宣行のずるい仕事術』(ダイヤモンド社)などがある。
平辻哲也