【気になる輸入車⑤】走り好きの心を揺さぶるD/E/Fセグメント最新動向2024「セダンは踊るよいつまでも」
世界一のスピードで電動化の覇権を目指すアルファロメオ
一方、「2027年にはすべてのモデルをBEV化」と、巨大ステランティスグループの中での電動化急先鋒であることを表明するのが、イタリア生まれのアルファロメオだ。ただし2023年末現在では、ブランニューモデルであるトナーレにマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッド仕様を用意する程度にとどまっている。 「世界一のスピードで電動化を目指す」というCEOのコメントも聞かれはするものの、率直なところ現状は「お手並み拝見」という状態になっている。 2023年のこのブランドは、あえて今の時代に再度セダンの存在感をアピールするかのごとく、スポーツセダンである「ジュリア」の「トライローブ」と呼ぶ特徴的なフロントグリルやテールランプ部分のデザインにリファインを施して再度のローンチ。 インテリアでも、フル液晶メーターや12.3インチのデジタルクラスターメーターを新採用するなど、インフォテインメント系をさらに充実させ商品力アップを図っている。 2023年11月には、トップモデル クアドリフォリオに改良版が登場した。通常モデル同様、内外装のアップデートが行われたほか、クアドリフォリオとして初めて「メカニカル・リミテッド・スリップ・ディファレンシャル」を搭載。これによりコーナリング時の左右後輪の回転速度の制御を実現している。
BMWは大型セダンの電動化を進めていく
一方、搭載する全エンジンにマイルドハイブリッド機構をアドオンした上でBEVバージョンも新設という戦略がいかにも今という時代を感じさせるのが、約7年ぶりのフルモデルチェンジによって8代目となったBMW5シリーズ。 ただし、日本導入モデルに搭載されるエンジンはガソリンもディーゼルもターボ付きの2L直4ユニットのみに限られ、仕向け地によってはまだ設定される伝統の直6ユニットが除外されているのは何とも残念である。 BMWといえば、2022年に登場し、見た目のコンセプトも大変貌を遂げて話題となった新しい7シリーズのBEV、すなわち「i7」シリーズに、後2輪駆動モデルと「Mハイパフォーマンスモデル」が追加設定されたことも2023年のニュース。 前者「eDrive50」は、最高出力455ps/最大トルク650Nm。さらに0→100km/h加速タイムは5.5秒を達成。続いて後者「M70 xDrive50」は前輪に最高出力258ps、後輪に489psを発揮するモーターを搭載し、システムトータルでの最高出力が659psに達し0→100km/h加速はわずかに3.7秒でクリアする。 プレミアムブランドの作品らしく駆動用バッテリーの総エネルギー量はともに105.7kWhという大容量を誇っており、Mの名に相応しい高性能ラグジュアリーが誕生した。(文: 河村康彦)
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