駅伝強豪校の最新勢力図 「昨年と天と地ほどの差」がある駒澤大は大丈夫か?
ちょっと心配なのが駒澤大だ。 昨シーズン、2年連続3冠に挑戦し、箱根駅伝で青学大に破れ、鈴木芽吹主将を始め、史上最強とも言われる4年生がこの春にごっそりと抜けた。今回の関東インカレは、箱根奪還に向けて、チームの戦力と選手の現状を知るうえで重要なポイントになった。 だが、結果は厳しいものに。2部10000mでは伊藤蒼唯(3年)が29位、安原海晴(2年)はDNF(途中棄権)に終わった。2部ハーフマラソンでは、山川拓馬(3年)が出走を回避し、吉本真啓(4年)が22位、庭瀬俊輝(4年)は31位と精彩を欠いた。2部5000mではルーキーの桑田駿介が13分49秒69の自己新で5位に入り、駒大の面目を保ったが、金谷紘大(4年)は15位に終わった。エースの篠原倖太朗(4年)と佐藤圭汰(3年)を抜きにしても1年生以外、上位で戦えていない結果を考えれば、駒澤大らしい強さが見えず、先行きに不安が残る。 伊藤は、「自分は体がキツいし、スピードが上がらず、今までにないぐらいうまくいっていない。何が原因なのか、わからない。チームも全体的にうまくいっていないですね。戦力がだいぶ落ちているなか、中間層が上がっていない。昨年と天と地ほどの差があり、今年の駅伝はかなり苦戦しそうです」と、厳しい表情を見せた。 金谷は、「今回は練習がぜんぜんできていなかったということではないんですけど、情けない結果になってしまって。全体的に結果が出ていないですし、今回は他大学がかなり走っているので、危機感があります」と、思いつめた表情で語り、吉本も「4年生としてこのままじゃいけない。危機感しかないです」と表情を曇らせた。 青学大や國學院大の充実ぶりを見れば、金谷や吉本が危機感を抱くのも当然だ。 篠原と佐藤に頼り切りでは、駅伝で勝利するのは難しくなる。エースや4年生に頼り切っていた昨年と同じ轍を踏まないように、4年生たちがどうチームをまとめ、巻き返していくか。さらに、1、2年生の中間層の底上げが実現しないと、箱根王座を取り返すどころか、惨敗してしまう可能性すらある。駒澤大は、それら多くの課題に向き合い、答えを出していくことが求められるが、果たして、どうなるのか。 今後の駒澤大に注目したい。
佐藤俊●文 text by Sato Shun