【解説】観光庁が海外旅行“推進”キャンペーン発表…得する情報も 「アウトバウンド」回復で好循環が?
対象の期間である今年7月1日から8月31日に、対象の旅行会社を通じて海外旅行をした18歳以上の人に次のような特典があるということです。 ●海外Wi-Fiの無料レンタル(130台) ●電源変換アダプターの無料提供(50台) ●14の観光局・大使館が賞品を提供 (3)航空券など賞品プレゼント
すでに始まっているキャンペーンで、対象の期間内に旅行会社を通じて、実際に海外旅行をした時の「写真とコメント」を、応募サイトを通じて投稿すると、選考で賞品がプレゼントされるというものです。 例えば、台湾やベトナムへの往復航空券、スイスの主な交通機関の8日間乗り放題・宿泊券、キューバのラム酒やコロンビア産コーヒーなど、様々なものが抽選で当たるということです。
■「イン」「アウト」比は5:5が「理想」 海外旅行“増”で好循環が生まれる?
なぜ今、政府は日本人の海外旅行を後押ししようとしているのでしょうか。 アメリカでは11日で水際対策が撤廃され、12日以降はハワイも含めて陰性証明書やワクチン接種証明書は一切不要になります。韓国と日本では陰性証明書・接種証明書ともに不要となっており、各国で水際対策は終了、または大きく緩和されるということです。 ただ、日本からの海外旅行は回復が遅れています。日本を訪れた外国人客、いわゆる「インバウンド」が感染拡大前の7割程度まで回復した一方、日本から海外へ行く「アウトバウンド」の回復は4割弱にとどまっています。 航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんによると、「インバウンド」と「アウトバウンド」のバランスは「5:5が理想」だといいます。 日本航空によると、コロナ禍で最も落ち込んだ時は国際便が1割程度まで減っていたそうです。航空会社にとっては、行きの飛行機であるアウトバウンドで便数が増えると、帰りの便でも客を乗せることが可能で、さらにインバウンドが増える「好循環」が生まれるといいます。 日本の旅行会社もアウトバウンドが増えればもうかりますし、今回のキャンペーンは「何千円お得」ということ以上に、国として海外旅行を推進する「大きなお墨付き」を与えるというメッセージの意味があるということです。 ◇ 日本で遅れている海外旅行の回復ですが、見知らぬ土地や人とのふれあいで、若い世代をはじめ海外に行くことでしか得られない経験や知見もあります。行けるようになった今、チャンスを生かして海外旅行をどんどん楽しんでほしいと思います。 (2023年5月10日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)