「トランプ氏の再選優勢」と言わざるを得ない次期米大統領選の現状
経済アナリストのジョセフ・クラフトが12月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。次期米大統領選について解説した。
米バイデン大統領の支持率、過去最低の34% ~トランプ氏にリード許す
米ニュージャージー州のモンマス大学が12月18日(現地時間)に発表した世論調査の結果で、バイデン大統領の支持率が過去最低の34%に低下したことが判明した。バイデン大統領の支持率は、9月の38%から12月は34%に低下しており、2024年の大統領選挙に向け、ドナルド・トランプ前大統領にリードを許す形となった。 飯田)バイデンvsトランプ、4年前の再来ですね。 クラフト)モンマス大学を知らない方も多いと思いますが、世論調査に定評があり「正確だ」と言われているので、この数字には注目するべきです。「トランプ氏がいい」というよりは、バイデン大統領の支持率が落ちてしまっている。2020年にバイデン大統領が当選した大きな2つの要因は、若年層とマイノリティです。特にラテン票が多かった。しかし、いま若年層がイスラエル問題・中東問題で不満を抱き、引いてしまっています。ラテン系の人たちは移民問題で政権に対して不満がある。この2つの基盤が底抜けしてしまっているので、(バイデン大統領は)危機的な状況にあります。 飯田)バイデン大統領は、あまり票をあてにするところがないのですか?
民主党から第3の政党に移った候補者もバイデン票に影響
クラフト)そうなのです。日本製鉄のUSスチール買収に米労組が反対していますが、これも大統領選の政争の具になっていると思います。USスチールの本社があるペンシルベニアは重要な激戦州ですから、ここも落としかねない状況です。ある意味、日本が間接的にトランプ氏を応援する形になってしまった。 飯田)なるほど。 クラフト)また、いろいろな問題に加え、民主党から出て第3政党に移った候補者が、いまのところ2人います。もしかしたら3人になるかも知れません。ここがさらにバイデン大統領の票を食ってしまう可能性がある。(大統領選の)1年前は、基本的に現職大統領が弱い時期でもあって、まだ1年ほど時間はあるものの、バイデン大統領は危機的な状況です。いまの状況を見ると、トランプ氏の再選は残念ながら優勢と言わざるを得ません。