大阪出身・口笛世界チャンピオンが語る口笛の魅力とは
クリアな高音を出すコツは?
こうして2007年、世界中の口笛奏者が集まる国際口笛大会(米ノースカロライナ州)に出場し、ティーンの部(年齢別に3部門ある)でグランドチャンピオンに輝く。日本人が同大会のトップに選ばれたのは初めてだった。34回目の同大会には12カ国から約60人、日本からは8人が参加したという。 ──アメリカの大会で優勝したんですね。 日本の大会は年齢制限がないけど、アメリカは年齢制限があって、19歳までのティーンの部で、優勝しました。日本人初でした。その時の曲が「トルコ行進曲」です。この曲はいまだに完成していない。(優勝した)19歳の時より、はるかにうまくなっているし、8年ほど吹きまくっている。それこそ1000回くらい吹いている。でも、自分の中では完成ではない。納得できていないんです。 ──クリアな高音を出すコツってありますか? はい。高音を出すには技術がいります。口の中の空間を狭めた状態で吹くから、舌の使い方なども重要になってくる。低音、中音、高音と吹き方が違う。でも、特に口内の形状などは関係なく、口笛は練習をすれば、誰でも吹けるようになると思う。
世界の尊敬する日本人100人に選ばれた
──「世界の尊敬する日本人」100人に選ばれましたが…。 これは連絡とかもなく、勝手に載ってたので、ビックリしました。ありがたいことですけど。 ──口笛奏者は何人くらいいるのでしょうか。 口笛奏者としてそれだけで活動しているのは、全国でも5、6人でしょう。副業でやってる人は50人くらいはいると思います。世界チャンピオンは僕が日本人として初めてでしたが、その後は、日本人の世界チャンピオンも生まれている。口笛は自分にとって身近だったし、歌とか他の楽器より、自分の思いを込めやすかった。表現が自然だったんです。今後も練習を重ね、口笛の魅力を発信していきたいと思っています。 「とくダネ!」「スッキリ!!」などテレビ出演多数。また、「情熱大陸」「涙そうそう」「上を向いて歩こう」など、レパートリーは50曲ほどだ。19日には「大丸須磨店」などのイベントで、その神業的な口笛を体感できる。 (文責/フリーライター・北代靖典)