“猛暑”と“鳥インフル”のWパンチで「エッグショック」再来か? “鳥インフル”は1パック322円まで高騰した2022年に匹敵するペース “猛暑”で卵のサイズも小ぶりに…
11月19日、岐阜県の養鶏場で行われた殺処分。鳥インフルエンザが全国的に猛威をふるっています。農水省の江藤拓大臣も「今年の発生ペースは一番最悪だったときとほぼ同じペース」と発言。「エッグショック」再来の恐れもあるようです。
エッグショック再来の恐れ 岐阜の養鶏場でも鳥インフルエンザ発生
上品な出汁が染みこんだ、ふわふわとろっとろの親子丼。愛知県内の養鶏場から直送された採れたて卵がふんだんに使われています。
この親子丼を提供するのは、レストランも併設されている、愛知県一宮市の卵の直売所「うきうき村」。卵関連の商品が20種類以上あり、訪れた人たちは、ものすごい数の卵を購入していきます。 しかし、買い物をしていた人からは「ここも少しずつ値段が上がってますけど、やっぱりおいしくて新鮮な卵がほしいのでしかたがない」「何でも高いので、特に小さい子がいると安全・安心なモノをあげたいなと思うとけっこう負担は大きい」という卵の高騰を懸念する声が…。
うきうき村 武藤嘉郎さん: 「10月1日から本当に申し訳ないんですけど、ワンパックあたり30円上げさせていただきました」 エサ代や電気代、水道代など、すべてのものが値上がりしている今、こちらの直売所でも10月に卵の価格を上げたばかりだといいます。 JA全農たまごによりますと、名古屋でのMサイズ1キロあたりの卸売価格が、1月から11月までで100円以上も値上がり。この先もさらに上がる見込みだといいます。
そこに追い打ちをかけるような出来事が。 うきうき村 武藤嘉郎さん: 「鳥インフルエンザに関しては神経質になって当たり前。鳥インフルエンザが増えれば、卵の価格にも影響が出るので心配」 岐阜県本巣市の養鶏場のニワトリから「高病原性鳥インフルエンザ」が検出され、11月19日、約1万5000羽が殺処分されました。 実は今、鳥インフルエンザが全国的に猛威をふるっています。
農水省 江藤拓大臣: 「(鳥インフルエンザの)今年の発生ペースは一番最悪だったときとほぼ同じペース。どこで起こってもおかしくない」 農林水産省によると、10月17日の北海道を皮切りに千葉県や新潟県などで立て続けに発生。11月20日までに8道県10事例が確認され、約121万8000羽が殺処分されています。 これは、鳥インフルエンザが過去最大級に流行した2022年のシーズンに匹敵するペースで、このときは卵1パック322円で販売する店も出るなど「エッグショック」と呼ばれる事態に。
さらに、別の卵農家のお店では、他の理由による値上がりを懸念していました。猛暑が長引いた影響などでニワトリの産卵状況もよくなかったと言います。 デイリーファーム 市田旭宏専務: 「暑くなると鶏が卵をなかなか産んでくれなかったり、暑すぎて夏バテになってエサを食べる量が減ってくるせいで、卵の大きさが小さくなるとかが今年は特に起きていました。毎年、卵の価格は季節で上下するが今年は顕著。おそらく来年も再来年も温暖化によって続くんじゃないかなと思っています」 「鳥インフルエンザの猛威」に「夏バテ」のWパンチ。今後も卵の価格が上がる可能性は高そうです。