【長崎】ノーベル平和賞の日本被団協が石破総理と面会
NCC長崎文化放送
去年、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表委員らが石破総理と面会し、3月に開かれる核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加などを求めました。 【写真】ノーベル平和賞の日本被団協が石破総理と面会
総理官邸で約30分行われた面会には、長崎で被爆し、授賞式に登壇した田中熙巳代表委員(92)や長崎被災協会長の田中重光代表委員(84)ら8人が出席しました。石破総理は冒頭、「長年の努力に敬意を表する」と述べ、祝意を伝えしました。 石破総理大臣: 「被爆地の実相を世界に向けて発信してこられた皆様方が、このたびノーベル平和賞という大変な栄誉をお受けになりました。このことについては我々としても極めて意義深いことだと考えている」 核兵器廃絶を訴える被団協側は、3月にアメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれる核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を総理に要望しました。 日本は唯一の戦争被爆国でありながら、アメリカの「核の傘」に依存しているため、条約への署名や批准をしていません。過去2回の会議では、同じくアメリカの核の傘に頼るドイツやノルウェーなどがオブザーバー参加しましたが、日本は不参加でした。 石破総理は「日本は核保有国に囲まれている」との認識を示しつつ、「日本の現状は やむを得ないが、核なき世界を目指す思いは一緒だ」と述べ、オブザーバー参加について明言を避けました。 また、被団協側は、田中熙巳代表委員(92)が受賞演説で、原稿にない言葉で繰り返し訴えた国家補償についても直接、石破総理に要望しました。 日本被団協・田中熙巳代表委員(92):(授賞式でのスピーチ) 「何十万人という 死者に対する 補償は全くなく、日本政府は一貫して国家補償を拒み、放射線被害に限定した対策のみを今日まで続けております。もう一度繰り返します。原爆で亡くなった死者に対する償いは、日本政府は全くしていないという事実をお知りいただきたいと思います」 広島・長崎原爆の死者に対する国家補償について石破総理から明確な回答はありませんでした。被団協側は長崎の被爆体験者についても被爆者と同等の救済を求めました。 日本被団協・田中熙巳代表委員(92): 「被団協として収穫がある総理との面会だったと、私の受け止めとしてはなかった。世界が被爆者の運動を注目していますので放っておくわけにはいきませんから、政府に対しても、総理に対しても色々注文をつけながらしつこく会見を申し入れて議論をしていきたい。被団協が言っていること、(核兵器廃絶)と政府が取っている方針は全くといって違いがあるので、話をしないといけませんねと言っています」 被団協側は「総理に要望をきちんと伝える時間や総理との問答がなかった」として、改めて面会を求めたということです。
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