JPモルガンが中国の経営陣刷新へ、トップにホー氏起用検討-関係者
(ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースは、中国事業の運営をアジア太平洋地域のアラン・ホー最高財務責任者(CFO)および香港のディールメーカーであるリタ・チャン氏に託すことを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
同行はホー氏を中国担当の新最高経営責任者(CEO)に指名することを検討している。ゴールドマン・サックス・グループから2020年の終わりに移籍したチャン氏については、シニアカントリーオフィサーに起用する。社内発表前であることを理由に関係者が匿名で語った。
JPモルガンでは中国部門のマーク・レオンCEOの退任予定が先月明らかになり、ホー、チャン両氏はレオン氏の責務を引き継ぐことになる。候補者および与えられる権限についてはまだ最終決定されていないという。
JPモルガン中国部門マーク・レオンCEO、24年末に退職-内部文書
JPモルガンのメディア担当者はコメントを控えた。
中国の経済問題が深まる中、グローバル企業は同国でデリスキング(リスク低減)と事業縮小を進めている。JPモルガンはこの地域で経営陣入れ替えを行っており、アジア太平洋地域CEOを務めていたフィリッポ・ゴリ氏はグローバルバンキング責任者に就任し、ロンドンに異動する。
ライバルのゴールドマンやUBSグループ、モルガン・スタンレーなどでは中国本土出身者が中国投資銀行業務を率いているが、18年にレオン氏を中国CEOに指名したJPモルガンは、同事業の運営を香港の幹部に担わせている唯一のグローバル銀行となっている。
上海在勤のレオン氏は後任への引き継ぎを支援するため年末まで同行にとどまる。
ホー氏は現在、アジア太平洋地域の最高アドミニストレーション責任者も兼任する。チャン氏は20年終わりにゴールドマンから移籍し、アジア地域の不動産投資銀行部門の責任者として入社。昨年にはアジア太平洋地域の消費者・リテール投資銀行部門の責任者となった。同氏の夫は、香港財経事務・庫務局の許正宇局長。