20年ぶり再会の「元カノと結婚」した彼が語ること、お互いに「紆余曲折すぎた社会人生活」の末に選択
■44歳のときに恋人として「立候補」 「祐樹さんに彼女がいるならば幸せになってほしいと思いました。でも、彼は『遅ればせながら婚活中。誰かいい人がいたら紹介してください』と言っていたんです。だから、ダメ元で彼女さんに立候補しました」 2015年、和美さんが44歳のときの出来事である。祐樹さんとは20年以上前に一度付き合っていたという安心感もあったかもしれないが、断られて傷つくことを恐れずにすかさず恋人として「立候補」する勇気は素晴らしい。
筆者は婚活中の男女を取材することが多いが、男女関係において受け身な女性は少なくないと感じている。見た目もコミュニケーション能力も経済力も高めの男性にならば自分のほうからアプローチできるが、それはほとんど無理筋だったりする。一見した条件がよくない相手にでも「卑屈ではない」といった心の部分で共感や尊敬を抱き、自分から働きかけること。30代半ば以降でパートナーを見つけたい人に必要な姿勢だと思う。 行動力があり過ぎる和美さんは、祐樹さんとの交際がスタートした翌年に以前から興味があった農業に挑戦。農作地の関係で祐樹さんとは週末だけ会える中距離恋愛が続いた。ようやく同居を始めたのが2019年の秋。和美さんの一人娘は小売業の正社員として働いており、恋人と同棲中。月1ペースで泊まりに来て、祐樹さんとの関係も良好だ。
「成人して独立した娘にとっての祐樹さんはあくまで『ママの彼氏』です。祐樹さんにも『お父さんになろうなんて思わなくていいよ』と伝えています」 祐樹さんは和美さんの両親への挨拶を希望しており、事実婚ではなく法律婚でもいいと明言している。しかし、和美さんの両親が「田舎なので娘が離婚したことで肩身が狭くなっている。再婚したとは近所に言いにくい」「孫娘が一人戸籍になるのはかわいそう」という、筆者から見れば謎の理由で和美さんの再婚に反対。2人が婚姻届を提出するのは少し先のことになりそうだ。