愛車のチェーンの張り具合、チェックしていますか?
ユルユルに伸びて外れたら一大事!
近年のバイクのチェーンはとても丈夫に作られています。多少メンテナンスを怠っても切れてしまうようなトラブルは滅多にありません。とはいえ、大排気量車なら100馬力以上のパワー(スーパースポーツ車なら200馬力超え)を後輪に伝えており、アクセルを戻した時にはエンジンブレーキが効くため、逆方向にも大きな力が加わります。 【画像】チェーンの張り具合チェックの画像をもっと見る(8枚)
そのためチェーンは、ほんの少しずつですが徐々に伸びていきます。もし長い期間、張り具合のチェックをしなかったらどうなるでしょう? 加減速のたびにたるんだチェーンがガシャガシャと音を立て、スイングアームやフレームなどに接触して傷をつけたり、当然ながら加減速時のショックも大きくなります。そして最悪の場合はスプロケットからチェーンが外れてしまうこともあります。もちろん走れなくなるし、ともすれば外れたチェーンが絡まって後輪がロックしてしまうこともあり、走行中なら転倒する危険もあります。
チェーンが“縮む”こともある!?
メンテナンスを怠ると、チェーンが伸びて張りがユルくなることは、なんとなくイメージできると思います。それでは張りがキツくなり過ぎたらどうなるでしょうか? ……と言われても、チェーン交換やタイヤ交換時などに張り過ぎていなければ、チェーンが自然に“縮む”ことなどあり得ないように感じます。が、じつは気付かないうちにチェーンの張りがキツくなることがあるのです。 それはメンテナンス不足(清掃や潤滑)や劣化によって、チェーンが錆びたり泥が詰まることでピンの部分が固着してスムーズに動かなくなり、チェーンが真っ直ぐに伸びなくなるからです(専門的にはこの症状を「キンク」と呼ぶ)。すると結果的にその部分の長さが短くなるため、張りがキツくなってしまいます。 そしてチェーンが張り過ぎていると、リアサスペンションの動きが悪くなります。スポーツバイクの多くは、アクセルを開けた時に後輪を路面に押し付けるように、リアサスペンションが伸びる方向に動くよう設計されています。この構造により、カーブを立ち上がる時にアクセルを開けると、後輪がしっかりグリップして安定して加速することができます。