【解説】岸田首相vs立憲・泉代表、一騎打ち対決の勝者は… 3年ぶりの党首討論
■岸田首相“サプライズ発言“はあったのか?
鈴江キャスター 「そして3つ目、『岸田流“サプライズ発言”は?』ですが、党首討論なので、岸田首相から攻めることもできる場ではあったと思いますが、サプライズ発言は、どうだったんでしょうか?」 平本記者 「逆質問で憲法はありましたけれども、サプライズといえる発言はなかったと言えます。実は岸田首相は、19日は朝から来客ゼロで、執務室でずっと党首討論のシミュレーションを続けていたそうです。スタートする前は、もしかしたらサプライズがあるのではないかという声が与野党から上がっていたんですが、結果としてはなかったと」 「どんな声かといえば、内閣支持率の低迷も続いて、自民党内では今の国会内での衆議院の解散は難しいという見方が広がってはいるんですが、そうした中で、19日の党首討論などの場で岸田首相が『解散』を表明するのではないかという見方がくすぶってはいました」 鈴江キャスター 「くすぶっていた背景には、何か考えられるのでしょうか?」 平本記者 「これは2つの理由がありまして、1つ目は、過去にも党首討論でも突然、解散を表明したケースがありました。今から12年前、時の野田首相が突然、解散を表明しました。その時と状況が似ていることが1つ目です。2つ目は、岸田首相の過去の行動分析からですが、去年12月の派閥の解散、そして、2月の現職首相としては初の政倫審への出席。いずれも事前の説明なしでのサプライズ発表でした。この2つの理由から、与野党から『岸田首相がサプライズで解散を言い出すのでは』という声が上がったんですが、19日のサプライズの発言はありませんでした」
■不信任案を受けて解散? 可能性は…
鈴江キャスター 「こういう形で党首討論は終わりましたけれども、岸田政権は支持率が低迷するなど厳しい状況が続いています。局面打開に向けての次の一手というのは、何か考えられているんでしょうか?」 平本記者 「立憲民主党は19日の党首討論を受けて、20日に岸田内閣の内閣不信任決議案を提出することを決めました」 桐谷美玲キャスター 「岸田首相は、19日に解散発言はしなかったですが、この不信任案を受けて解散をすることはありえるんでしょうか?」 平本記者 「これも基本的には、自民党内には解散なんて無理という声が広がっていますが、19日と同じで、岸田首相が不信任案の提出を受けて解散表明をするのではという声がくすぶってはいます」 「局面打開の具体策としては解散や人事がありますが、今、自民党内には解散はもちろん、求心力が低下した岸田首相には人事を行うのも難しいという見方が広がっています。ある政権幹部は『もう政権はもたない』と退陣論を口にする人さえ出てきてはいます。政権に閉塞(へいそく)感が漂っていますが、岸田首相がどんな一手を打つのか、時間の経過と共に選択肢が減っていくことになりそうです」