「YM-R9」って? 空から見ると、堤防に謎の文字 実は災害時にヘリコプターを導く“道しるべ” 学校や病院の屋上にも…広がる取り組み
上空から見やすいよう学校や病院の屋上に大きな文字で表示
ヘリサインを表示する場所や建物の基準はあるのだろうか。 大阪府危機管理室災害対策課によると、災害時に救助や支援活動を行うヘリコプターが着陸する可能性がある災害用臨時ヘリポートに隣接する避難所施設の学校等に整備するとのこと。一方、大和川河川事務所は、原則として舗装された堤防天端に整備するそうで、距離標示については防災ヘリコプターなどの飛行速度を考慮して、左右岸とも1km間隔を基本としているそうだ。 これが全国的な取り組みなのか否かについては「他の自治体の取り組みついては情報を持ち合わせていません」(大阪府危機管理室災害対策課)とのことだが、東京都や熊本県をはじめ全国で行われているようだ。 建物に表示する文字の規格は全国統一ではなく、自治体ごとに定められている。ちなみに大阪府で平成30年(2018年)度に整備したヘリサインの規格は、フォント:ゴシック体、文字大きさ:縦横4m程度、文字太さ:0.3m以上、文字間隔:1m程度、文字色:黄の蛍光色となっている。 「大阪府が今まで整備したヘリサインの中には、平成30年度(2018年)の規格と異なるものもございます」 河川の堤防に表示されるヘリサインの規格は、建物に表示されるものとは少し違っていて、文字の大きさは3m×3m程度、線の幅は45cm程度、字体は特に規定がなく色は白色が基本だそうだ。 大阪府だけで162カ所(2019年2月末、河川を除く)のヘリサインがあるそうだが、今後も増えるのだろうか。 「市町村などに対し、施設の建て替え時期にあわせた整備を働きかけています」(大阪府危機管理室災害対策課) 「直轄の全河川で距離標の対空標示は設置完了していると思いますが、河川管理施設の対空標示は引き続き設置を予定しています」(大和川河川事務所) 2024年は年明け早々に能登半島が大地震に襲われ、あらためて防災に関して強く意識せざるを得なかった。空からの救助や支援活動を迅速に行うためにも、ヘリサインは重要なのだ。 (まいどなニュース特約・平藤 清刀)
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