【高校陸上】男子走高跳・福士湊(明星学園高)2023年全国大会3冠のジャンパー
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!2023年を締めくくるのは、男子走高跳の福士湊選手(明星学園高)です。今季は6月のU20日本選手権、8月のインターハイ、10月の国体少年共通をいずれも制覇。充実した今季を振り返るとともに、2024年の目標もうかがいました。 福士湊選手のプロフィールをチェック!
体力、メンタルの成長で飛躍
――2023年が終わります。この1年でどんなところが成長したと感じますか。 福士 メンタルに加え、身体が動かない状況でもひと踏ん張りできた体力面ですね。あまり得意ではなかった助走もカーブもうまく走れるようになった技術的な成長もあります。そういう意味では総合的にレベルアップできた気がします。 ――そもそもですが、2023年の目標を教えてください。 福士 昨年(22年)のインターハイで悔しい思い(4位)をしたので、全国大会で全部勝ちたいなと。U20日本選手権、インターハイ、国体の3冠が目標でした。記録面では顧問の比留間修吾先生の高校時代の記録(2m17)より上に行けたらうれしいと思いましたが、記録より勝ちたい気持ちのほうが強かったですね。 ――6月のU20日本選手権では2m14の自己ベストでまず1つ目の全国大会を制しました。 福士 比留間先生が不在で、いつものようにスマホやタブレットで録画してもらった動画を見ながら指示をいただくことがない状態でした。先生には「自分の考えだけでやってみたい」と伝えていたので、1本ずつ丁寧に臨み、少しずつ修正を入れながら進めました。U20日本選手権では助走から踏み切りの流れが良く、そこで勝てたことがインターハイや国体につながったと思います。 ――その後、インターハイ南関東大会で2m17の自己新。さらに、7月中旬にはU20フランス選手権に出場しました。 福士 海外に行くのが初めてで、自己記録に近い結果を出したかったですが、天候も荒れていたのでイメージ通りに行かないだろうとも思っていました。実際は想像以上に跳べませんでしたが、この遠征を経験したことでメンタルが成長できたと思います。 ――インターハイでは2m12で頂点に立ちました。 福士 それぞれの高さを1回目で跳ぶのが、僕の強みというか勝ちです。勝っている試合は、だいたい1回で跳んで次の高さに進めていく感じなので、インターハイでもそれがうまくいきました。優勝した後に記録を出せない所がまだまだ未熟ですが、優勝が決まった時はうれしくて、少し涙が出てしまいそうでした。 ――インターハイの後は日韓中ジュニア交流競技会もありました。 福士 助走を安定させるという課題を修正することがテーマで、とにかく勝ちたいと臨みました。初めてJAPANのユニフォームを着られることがうれしい反面、いろいろなものがのしかかって緊張もしました。なかなか自分の跳躍ができませんでしたが、日本のユニフォームを着ている以上、負けられないという思いでひと踏ん張りできた感じです。 ――10月の国体でも優勝し、ついに3冠を達成しました。 福士 国体は最初の高さで1回目を失敗してしまい、自分の勝ち筋ではなく、先行される展開で「負けてしまうかも」と思っていました。でも、終盤の勝負どころで逆転し、いつもとは違う勝ち方で優勝できたのがうれしかったし、自信になりました。 ――現在は冬季練習の最中ですね。 福士 自分は踏み切りがまだ弱いので、基礎体力を上げることで踏み切りの強さを出そうと考えています。走り込むことで、助走で自分の出したいスピードを気持ちよく出せるようにして、しっかり踏み切れるだけの身体能力や基礎体力をつけようと思って練習しています。 ――24年シーズンの目標を教えてください。 福士 4月から東海大に進む予定です。1年目の関東インカレや日本インカレは経験を積むという感じで、一番の目標はU20世界選手権に出場することです。できれば2m25以上は跳びたいという思いがあります。