県警の「欠けた県民感覚」を読者はどう受け止めた? 身内に甘い組織に嘆き、真面目に働く職員を思いやる声 公安委や議会、報道姿勢に注文も
鹿児島県警の不祥事を巡り、南日本新聞が9日付から連載した企画「検証 鹿児島県警 第1部・欠けた県民感覚」に対し、20日までに読者から多くのメールや電話、ファクスなどが寄せられた。警察組織への不信感や在り方の見直しを求める意見が目立った。野川明輝前本部長による隠蔽(いんぺい)疑惑については、事実解明のため県議会調査特別委員会(百条委員会)の設置が必要との見解もあった。読者の声の一部を紹介する。 【関連】「連載・検証鹿児島県警~欠けた県民感覚」を読む
第1部では、警察情報の悪用や性犯罪などが相次いだ県警の実態をみつめ、背景や問題点を検証した。不祥事を起こした警察官への処分内容や被害相談対応の一例、県警が打ち出した再発防止策などをテーマに、5回にわたり取り上げた。 連載初日に60代読者から届いたメールには「処分の甘さにがく然とした」とあった。市民の情報をまとめた「巡回連絡簿」を悪用してストーカー行為をした警察官が、本部長訓戒処分を受け現在も在職していることに「県民をばかにしているとしか思えない」と批判した。県警OBという60代は、別の警察官によるストーカー事件を挙げ、「どこまで身内に甘いのか。被害女性は無念さを抱えながら生きていかなければならないのか」と嘆いた。 「志布志事件以降も(組織は)全く改善されていない」(70代)という訴えや、「県警を管理する県公安委員会も信用を失っている」(同)との見方もあった。 百条委に関しては、警察庁OBという80代から「設置は必須と考える。自民党県議団が反対したことに、ありえないと驚いた」との感想が届いた。その他、「友人らと百条委が設置されず残念だという話題になった」(50代)、「本部長が交代しても県民の不信感や不安感は変わらない。南日本新聞による徹底検証とともに百条委設置を求める」(70代)など、大半が県議会の判断に疑問を投げかける内容だった。
連載企画への批判もあった。「警察関係者全員を否定するような扇動的な記事にみえる。真面目に働いている警察関係者もおり、その家族、特に子供への影響を考えているのか」(年代不明)という意見や、「意図して警察に対する否定的な記事を掲載しているように感じて不愉快。書き方を考えるべきだ」(40代)との指摘があった。
南日本新聞 | 鹿児島